先日、来春放送のNHK連続テレビ小説「あんぱん」キャストの追加発表があった。
「あんぱん」は「アンパンマン」の作者やなせたかしと、その妻・小松暢の夫婦をモデルにしたストーリーということで、いまだに毎週金曜日の放送をリアルタイムで視聴するほど「アンパンマン」好きの私は、第一報を聞いた時から楽しみにしている。
さらに喜ぶべきは、ヒロインの朝田のぶを演じるのが今田美桜ということ。最近では「いちばんすきな花」(フジテレビ系)で多部未華子、松下洸平、神尾楓珠らと主演、「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ系)では、前回で杏が演じた主人公の花咲舞を、今田が演じて好評を博すなど、まさに今が旬の女優で、存在感を示している。
さらに加えて、なんといってもグラビアアイドルも真っ青の、プロポーションの良さ。それこそ「あんぱん」の放送が開始されたら、「美桜ちゃんの胸のあんぱんが際立つシーンがないか」と毎朝チェックする、不適切な視聴者が増加しそうだ。
で、このたび発表された追加キャストだが、今田の妹役2人が最高のキャスティングなのだ。次女を河合優実、三女を原菜乃華って、奇跡の3姉妹ではないか!
河合には、大きな話題となって好評のまま最終回を迎えた「不適切にもほどがある!」(TBS系)で、大いに魅了された。主人公・阿部サダヲの娘役「THE・昭和の不良少女」な姿と、確かな演技力は素晴らしかった。
原は2022年の「ナンバMG5」(フジテレビ系)でのヤンキー少女姿や、その立ち回りがとにかく可愛かった。
奇しくも、2人ともヤンキー少女が当たり役だったのだ。
そんなこんなで期待が膨らむばかりの「あんぱん」だが、それに比べて今年後期の朝ドラ「おむすび」がちっとも盛り上がっていないように思う。
現在放送中の「虎に翼」はとにかく素晴らしく、世帯視聴率は好調とのこと。それも納得なほど脚本は面白いし、なにより主人公・寅子を演じる伊藤沙莉のうまさには舌を巻くばかり。毎日、放送を楽しみにしているので、終了後は、今から「虎に翼」ロスになるのでは、と心配になるほどだ。
「おむすび」のヒロインは橋本環奈。彼女がヒロインになると聞いた時は「おお!ついに」と思い、毎朝ハシカンのご尊顔を拝めると狂喜乱舞したものだが、作品紹介を見て一気に不安感が増した。それが以下のようなものだった。
〈まだ身近で少し懐かしい“平成時代”を、「正直不動産」の脚本家・根本ノンジが、大胆かつユーモア盛りだくさんで描く平成青春グラフィティ。心と体を元気にする“栄養学の知識”とともに、日本の朝に、笑いと元気をお届けします!〉
「純と愛」「ウェルかめ」、最近では「舞いあがれ!」を見てもわかるように、朝ドラと現代劇はどうも相性が悪いようだ。
「おむすび」が傑作「虎に翼」と「あんぱん」の単なる繋ぎでしかないか、それとも今までの定説を覆す作品となって好評を博すか。タイトルの「おむすび」ように、はたしてどんな中身なのかは、開けてみないとわからないだろうけど。
(堀江南)