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岡田監督は普通じゃない!第3のキャッチャー「長坂拳弥」の1軍昇格は「本気モード」の裏返しだ

 プロ野球の後半戦が始まった。

 オールスターで全セの監督を務めた阪神・岡田彰布監督は、7月25日に帰阪。新大阪駅で取材陣に対し「普通にやるだけ」と、後半戦を語った。だが、在阪のスポーツ紙デスクが「普通以上のスタートが必要」と話す。

「26日からの中日3連戦、30日からの巨人3連戦が『死のロード』の前の最後の甲子園でのカード。首位・巨人に3.5ゲーム差をつけられ現在4位の阪神としては、最悪でも4勝2敗、できれば5勝1敗でいきたいでしょう。ロードに出る前に、貯金を使い果たして借金生活に陥ることだけ避けなければならない」

 阪神の先発投手は、中日3連戦が村上頌樹、大竹耕太郎、西勇輝。巨人3連戦は才木浩人、及川雅貴、ビーズリーとなる見込みだが、ブルペン陣を含む投手には懸念材料はないと、前出の在阪スポーツ紙デスクは語る。

「勝敗のカギを握るのは野手陣です。特に森下翔太、佐藤輝明、大山悠輔のクリーンアップが、オールスターブレイクに正しい調整をしたのか。3人が爆発する否かに注目です」

 ところが、本当にキーポイントとなるのは「キャッチャーの起用法」だと、在阪スポーツメディア関係者は声高に主張するのだ。

「先発によって梅野隆太郎と坂本誠志郎を使い分けるのは前半戦と同じでしょう。問題は終盤のチャンスの場面で、打撃が低調気味の二人に代打を出せるかどうか。岡田監督の決断を注視したい」

 阪神にとって痛恨だったのは、7月19日の広島戦だ。1-0とリードされた7回裏、阪神は無死満塁の絶好のチャンスで打席が回ってきた坂本に代打を送らず、漫然と打たせてホームゲッツーとなった。この拙攻が響いて、試合は完封負けを喫している。

「岡田監督は、エラーをしていた坂本に名誉挽回の機会を与えたと語っていました。要はベンチ入り捕手が2人だったため、代打を送ることに躊躇したのでしょう。坂本を代えて、梅野に何かが起これば捕手がいなくなる。捕手経験者の原口文仁はいますが、捕手を2人使ってしまうと、代打の切り札の原口を絶好のチャンスで使えないケースも出てくる。この日の試合前、阪神は第3の捕手として1軍に昇格していた藤田健斗を2軍に落としています。1軍に昇格させる選手との兼ね合いもあるのですが、ファンからは『なぜ藤田を降格させた』という疑問の声が多かった。そして案の定、坂本は併殺ですからね…」(前出・在阪スポーツメディア関係者)

 阪神は7月25日、調子の上がらなかった豊田寛を2軍降格させたが、代わりに捕手の長坂拳弥を1軍昇格させる見込みとなっている。

 これで梅野と坂本の場面で代打を送れることとなり、原口を使いたい場面で躊躇なく使うことができる。岡田監督は「普通にやるだけ」と言ったが、実際には前半戦の反省を生かし、攻撃のバリエーションを増やすことで「本気でやるだけ」と読み取れるのではないだろうか。

(石見剣)

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