社会

秋に「アタマジラミ」が大量拡散中…薬剤耐性種も出た「5つの発生条件」これだけは知っておけ

 お彼岸を過ぎ、ようやく寝苦しい熱帯夜と猛暑から解放された。だが、異常な今夏の猛暑は「髪の毛」にも影響を及ぼしている。都内の幼稚園、保育園、小学校で「アタマジラミ」の報告が続々と上がっているのだ。

 衛生観念が行き届かなかった昭和の時代ならいざ知らず、なぜ令和になって「シラミ」が集団発生するのか。理由はいくつかある。

【シラミ発生の理由①】繁殖しやすい環境と洗濯頻度

 アタマジラミは高温多湿を好むため、日本では梅雨から秋にかけて集団発生することが多い。その一方で、夏は汗をかくから毎日洗髪、毎日洗濯していると、髪や衣服についたシラミが産卵する前に洗い流せる。洗髪や入浴、着替え、洗濯の頻度が落ちるこれからの季節の方が、幼稚園や保育園、小学校からシラミをもらいやすくなる。

 実際にドイツやフランスでは夏ではなく、洗濯頻度が落ちる「秋から冬にかけて」毎年シラミが流行する。

【シラミ発生の理由②】プール・スポーツクラブ・公衆浴場が危ない

 アタマジラミがうつるのは、子供だけではない。特に猛暑の今年、目立つのが「プールやスイミングスクールに行ったら頭が痒くなった」という訴えだ。実は感染者の髪やタオル、衣服から落ちたアタマジラミはプールやスポーツクラブ、スーパー銭湯のロッカーや床で72時間も生存することができる。

 営業終了時にのみ更衣室の清掃に入る公営プールやスポーツクラブ、公衆浴場のロッカーや床で、前の人が落として行ったシラミをもらうことがあるのだ。むやみやたらにバッグを床に置かず、ロッカーは使用前にアルコール綿でサッと拭こう。

【シラミ発生の理由③】中国人家庭によるブチ切れ撒き散らし

 令和に入って、アタマジラミをめぐる家庭のトラブルが増えた。日本人の子供、とりわけ女児は七五三のために髪を長く伸ばしているが、こうした日本の慣習に無理解かつ衛生観念が異なる、外国人世帯の子供が増えた。

 小学校、保育園で中国人家庭の子供に「アタマジラミ」を指摘したところ、悪化する日中関係にかこつけて「中国人差別だ」「中国人ヘイトだ」と左翼系弁護士や人権団体を引き連れて、担任教諭や養護教諭を吊し上げるケースがあった。実際に人権団体が乗り込んできた保育園の看護師に話を聞くと、嘆くことしきりで、

「感染源となっている家庭ほど、問題意識や罪悪感がない。髪を切って薬局で売っている駆虫剤入りシャンプーを使うよう言っても、拒否されます。それでいて、シラミがウジャウジャいる子供を気味悪がって他の子供たちが避けるようになると、自分たちの態度を棚に上げて『イジメだ』『髪を切れというのは人権侵害』と、弁護士らを引き連れて怒鳴り込んできました。その間も園内でシラミの集団感染が広がり、別の保護者からも苦情がくるので心が折れます。それでもシラミがわいた家庭に『お願いですから、駆除剤シャンプーを使ってください』とお願いベースで訴えるしかないのが現状です」

【シラミ発生の理由④】診察拒否するネグレクト開業医

 さらに小学校や幼稚園、保育園に勤務する養護教諭や看護師が頭を抱えているのが、「診療拒否するネグレクト医師」が増えていること。呆れたことに、病院公式サイトで「アタマジラミで病院に来る必要はありません」と診療拒否を明記している医師までいる。こうしたネグレクト医師の中には、シラミの子供は診ないくせに、テレビや週刊誌の出演には熱心な有名センセイがいらっしゃる。

 養護教諭や看護師が病院受診を強く勧めるのは、子供にアタマジラミをわかせるような親は自力でシラミ駆除などできないし、ネグレクトや虐待の疑いがあるからだ。

 ところが養護教諭や看護師が地元の医師に、全身に不審な打撲や傷がないかを診察し、場合によっては警察や児童相談所に通報してほしいとお願いしても、コロナ利権と老人医療で金回りがよく、尊大になった日本の開業医は平然と診療拒否をする。

 それでいて学校健診にはいそいそとやってきて「女児を下着一枚にしろ」「陰部を触らせろ」と主張するヤカラまでいるのだから、開業医と日本医師会フザケンナだ。

 もし学校や幼稚園保育園で「シラミが見つかったので病院に行ってほしい」と言われたのに、診療拒否するネグレクト医師に当たったら、開業医の監督権限がある地元保健所に通報、あるいはSNS拡散をお願いしたい。

【シラミ発生の理由⑤】駆虫剤が効かない種類の出現

 シラミで病院を受診すべき理由は、もうひとつある。10年ほど前から沖縄を中心に日本全国の薬局で販売している、駆虫剤入りシャンプーでは死なないシラミが登場したのだ。全国ではシラミの10%程度が、駆虫剤が効かない耐性シラミに置き換わっているが、沖縄県ではシラミの97%が従来の駆虫剤が効かない耐性シラミであると、沖縄県医師会が広報、注意喚起している。

 夏休みに沖縄へバカンスに出かけて薬剤耐性シラミをもらってしまうと、薬局で売っている駆虫剤入りシャンプーでいくら洗ったところで、死滅しない。耐性シラミにも効く新たな駆虫剤「ジメチコン」での駆虫が必須となる。

 シラミは「髪の毛についたゴミが動く」「フケやゴミを取ろうとしても、髪の毛にへばりついている」「よく見ると、虫の形をしている」のだが、シラミを見たことがない親にはなかなか鑑別がままならず、駆除しきれたかどうかの判断も難しい。

 もし不幸にもシラミをもらってしまったら早めに駆虫剤を使い、子供が幼稚園や保育園、学校で嫌な思いをすることがないよう、病院で「シラミはいなくなった」というお墨付きの治癒証明をもらうのが賢明だ。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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