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記事全文を読む→【おむすび】神戸と福岡「震災描写の扱い」に唖然とする「ご都合主義」でずさんな展開
行き当たりばったりでご都合主義の展開は、「神戸編」が始まっても改善される気配はない。橋本環奈がヒロインのNHK連続テレビ小説「おむすび」である。
米田結(橋本)は大阪の社会人野球チームで頑張る恋人・四ツ木翔也(佐野勇斗)を支えるために栄養士を目指す決心をし、専門学校に通うが、問題が起きても他人任せでお気楽な態度に、視聴者はイライラを増大させている。
12月2日からの第10週「人それぞれでよか」で、結は家族と住む商店街で、こども防災訓練の炊き出し隊長に任命され、献立を考え始める。
そして結たちの班が考えた炊き出しメニュー「わかめおむすびと、サバ缶ツナ缶を使ったけんちん汁」は、専門学校で担任から褒められるのだが…。ドラマウォッチャーが語る。
「サバ缶と聞いて、耳を疑いました。ご存知の通り、サバは食物アレルギーを引き起こすことが明らかになった食品に含まれ、『特定原材料に準ずるもの』として、可能な限り通知を表示するよう推奨されています。不特定多数に提供する炊き出しでそうした食品を入れることを、栄養士の専門学校が認めるのかどうか。それに炊き出しイベントは7月29日とチラシにありましたが、1年で最も暑い時期であり、神戸でも最高気温30度を超える日が多い。ほかほかのおむすびをラップにくるんで提供するのが適切なのか。提供直前に火を通すメニューでないと、食中毒のリスクが高まるのでは。結が幼少時に避難所で食べた冷たいおむすびのトラウマがひとつのテーマになっているようですが、それなら炊き出しイベントの時期も冬にした方がよかった。視聴者からも再三、指摘されていますが、脚本の杜撰さが浮き彫りになった1週間だったと思います」
なお、ネットニュースでは同ドラマの制作統括・宇佐川隆史チーフプロデューサーのインタビュー記事が12月7日に配信され、なぜ2005年3月20日に発生した「福岡県西方沖地震」を描かなかったのか、理由を語っている。
結にとっては高校1年の春休みに起きた、福岡県史上最大の地震は、幼い頃に体験した阪神・淡路大震災に次ぐ大災害。彼女の人間形成に大きな影響を与える出来事になると思われらが、ドラマ内ではスルー扱いされていた。
記事によると、宇佐川氏は福岡の震災に関して取材は行ったものの、ドラマ内でそれを描かないことにした理由として、
「『おむすび』では、登場人物たちを『かわいそうなひと』として、抱える悲しみを前面に押し出すドラマにはしたくない」
米田家が糸島で遭遇した地震を描くことが、
「私たちのドラマのメッセージとなるのか、本当に伝えたいことが伝わらない」
と考えたのだという。その上で、こうも言っている。
「『おむすび』は、『悲しみを抱えた主人公、家族』というレッテルから物語を始めたくはなかった」
前出のドラマウォッチャーが言う。
「これは結局、なかったことにしたかったのだと捉えられても仕方がありません。神戸の人々はみな、それぞれのレベルで震災の傷を10年以上経っても抱えており、そのことがドラマで描かれています。中には靴店の渡辺孝雄(緒形直人)のように、震災で娘を亡くした傷がいまだ癒えず、毎日のように墓参りをする人間もいる。都合のいい時にだけ震災の傷を持ち出し、それ以外ではスルーしているように感じてしまうのです。福岡の地震を描きたくないのなら、なぜ移住先を糸島にしたのか、納得がいった視聴者は少ないのでは…」
上層部の考え方に、脚本担当の根本ノンジ氏も戸惑いを覚えたのかもしれない。
(石見剣)
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