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古田敦也が今だから明かす選手兼任監督時代の「代打、オレ」ウルトラC苦悩秘話

「代打、オレ」

 プロ野球におけるあの歴史的なひと言は、いかにして生まれたのか。

 それは2006年7月4日のヤクルト×広島戦。選手兼任の古田敦也監督がベンチから出ると、冒頭のセリフを審判に告げ、自ら打席に向かったのである。

 古田氏は自身のYouTubeチャンネル「フルタの方程式【古田敦也 公式チャンネル】」で、次のように回想した。

「いちばんの苦労は、キャッチャーを育てなきゃアカンということなんですよ。僕は16年間、ずっとレギュラーで(捕手を)やってたから」

 しかし、選手兼任監督として大きな話題になっていたことから、

「オレが試合に出ないと、お客さんから『古田、出ろ』って言われるわけよ。『それが面白くて見に来てるの』って。でもオレは、オレの代わりを育てるのが仕事」

 チームの未来を思えば自分が進んで試合に出るべきではなく、若手捕手を起用することになる。だが試合に出ないと、球場に足を運んだファンを落胆させることに…。

「ちょうどええ塩梅で使ったのが『代打、オレ』。それなら代打で出て行くわ、って」

 では、古田氏がプロ野球で初めて「代打、オレ」と言った人物なのか。

 プロ野球にはこれまで、選手兼監督が何人もいた。しかし「代打、オレ」と言ったかどうか、戦前戦後のプロ野球の記録はハッキリしない。

 自身を代打に送った記録に残っている第1号は、初代ミスタータイガースの藤村冨美男。1946年に阪神の選手兼監督に就任し、1956年6月24日の試合で「代打、ワシ」と告げている。

 南海の選手兼監督時代の野村克也も自身を代打に出しているが、これも「ワシ」だった。古田氏は野村監督の薫陶を受けてID野球を身に付け、大捕手に育っている。

「代打、オレ」と「代打、ワシ」。一人称の違いはあれど、どれも観客を沸かせた、ある意味「粋な采配」だったのではないか。

(所ひで/ユーチューブライター)

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