社会
Posted on 2025年03月21日 05:58

【江戸時代の怪談】いったいどこまでが真実!? 佐賀藩「鍋島の化け猫騒動」

2025年03月21日 05:58

 江戸時代に肥前・佐賀藩で起きた「鍋島騒動」と呼ばれるものがある。これは「鍋島の化け猫騒動」、すなわち怪談として伝わっている。

 佐賀鍋島藩の2代藩主・鍋島光茂がある日、盲目の青年である龍造寺又七郎を城中に招き、碁を打っていた。もともと龍造寺家は鍋島家の主筋だったが、天正12年(1584年)に島原半島沖田畷の戦いで龍造寺隆信が敗死したのを境に、没落。龍造寺一族の又七郎は客分として、1000石を与えられていた。

 その日、光茂は碁の名人といわれた又七郎に連敗。頭に血が上り、激昂のあまり又七郎を斬り殺してしまった。又七郎の母はわが子の死を嘆き、悲しみと怒りを飼い猫に語り、自殺する。流れる老婆の血をなめ尽くした飼い猫はやがて怪猫となり、光茂の愛妾・お豊の方を食い殺した上、そのお豊の方に化けて夜な夜な光茂を苦しめたという。だが、家臣の伊藤惣太、小森半左衛門が正体を見破り、退治。化け猫騒動は収まった。これがあらすじだ。

 だが実際は光茂ではなく、龍造寺隆信の義弟で、佐賀藩の藩祖となった鍋島直茂だ。そして又七郎のモデルは龍造寺隆信の孫・高房らしい。家臣だった直茂に実権を奪われた高房は、絶望して自殺を試みた。命こそ取り留めたものの、精神に異常をきたし、慶長12年(1607年)、江戸屋敷で妻を刺殺した挙げ句、再び自殺を図り、出血多量でこの世を去った。

 高房の父・政家は失意の末、あとを追うように病死した。高房の遺体は佐賀城下精の泰長院に葬られたが、その亡霊が白装束で馬に乗り、城下を駆け巡るようになったという。実際は龍造寺家の残党が治安を乱すため、暴れ回ったようだが…。

 直茂は高房のために天祐寺を建立してその霊を慰めたが、元和元年(1618年)、耳に腫瘍ができ、激痛のために81歳で悶死した。当時の人は高房の亡霊の仕業だと噂した、と伝わっている。

 いったい、どこまでが事実だろうか。

(道嶋慶)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    エンタメ
    2026年03月08日 08:00

    最近のカルチャーシーンにドーンと鎮座するものに「昭和レトロ」がある。とりわけ主婦層の間では昭和歌謡や復刻家電、駄菓子風スイーツなどがSNSで大きな話題となり、「推し活」の一環としてグッズを集める動きが拡大している。しかし同じ「昭和回帰」でも...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年03月09日 06:45

    例年よりも早い桜の便りが届いている、2026年の初春。東京では上野恩賜公園や代々木公園といった有名花見スポットは、記録的な円安で押し寄せたインバウンド客と、宴会制限が完全に撤廃された解放感に浸る日本人で、まさに足の踏み場もないカオス状態が予...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年03月11日 06:45

    スマホの通知に追われる日常から、少し距離を置く。そんな「デジタルデトックス」では、若者が編み物や日記、フィルムカメラといったアナログ趣味にハマるケースが報告されているが、この流れは中年層にもじわじわと波及している。その背景にあるのは、仕事で...

    記事全文を読む→
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/3/10発売
    ■550円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク