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広島カープが使う「一塁手・小園海斗」究極オプションの「悩ましいチーム事情」

 いったいいつ、こんな「妙手」を思いついたのだろうか。しかもなかなかセンスがいいのだから、余計に悩ましい。広島カープの小園海斗の「守備位置」をめぐる新井貴浩監督の策略がそれだ。

 例えば3月15日のロッテ戦。6回から9回までにわたって試されたのは「一塁手・小園」である。新井監督の狙いは、試合後半で一塁のモンテロに代走を出した後、三塁の小園を一塁に回し、そのあとに売り出し中の二俣翔一や、昨年の現役ドラフトで獲得した山足達也を入れることにあるのかもしれない。

 この光景が初めて見られたのは、3月8日のヤクルト戦だった。3番・三塁で先発出場した小園は、6回から二塁に。ここまではシーズン中にもある守備変更だったが、なんと8回から一塁に回ったのだ。小園の一塁守備は、1・2軍を通じてこれがプロ初だった。

 ユーティリティープレイヤーの小園はこれまで本業の遊撃だけでなく、二塁、三塁を守ってきたが、最も失策が少ないのが遊撃だ。しかし強肩の矢野雅哉の台頭により、三塁を守ることが多くなる。チームとしては本来、守備を固定して大きく小園を育てたいところだが、どこを守っても堅実なのだから、やたら選択肢が広がるという悩ましい状況になっている。

 小園の一塁起用は、最後まで出場させるためのオプションの意味合いが強いが、本来であれば二塁を守らせた方がいいのは間違いない。しかし、二塁には2000安打を目指す菊池涼介がいるため、むやみに外すことができないチーム事情がある。

 振り返れば昨年末にオリックスにFA移籍した九里亜蓮は、広島に入団してすぐにローテーション入りしたが、その後はロングリリーフ、ローテーション谷間の先発、ローテーション復活と、その時のチーム事情に合わせて様々な役割を担わされた。最初から先発固定していれば、プロ通算11年でさらに10勝以上の上乗せがあったかもしれない。小園もそんなふうに「中途半端」あるいは「消化不良」な扱いを受け続ければ、3年後のFA権取得でどうなるか…。

(ケン高田)

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