1976年に放送開始、今年2月で50年目に突入している長寿番組が「徹子の部屋」(テレビ朝日系)だ。先日「徹子の部屋 50年目突入SP」が放送されたのは記憶に新しいが、5月7日には立て続けに「徹子の部屋 50年目深掘りSP」が。
この手の特番は名場面の繋ぎ合わせだけでお茶を濁すことが多いが、そこは「深掘りSP」と付けただけあり、徹子とマツコ・デラックスが過去の映像を見ながら当時を振り返り、さらには大竹しのぶ、鈴木京香をゲストに迎えるという豪華仕様だ。
それにしても、さすが放送1万2520回の、半世紀も続く番組。資料的価値に加えて、今のコンプラじゃ考えられない場面の数々に驚かされた。
収録中にもかかわらず、ゲストが当たり前のように喫煙している姿。「令和VS昭和」のような番組でその手の類は見飽きた感があるが、それでも石原裕次郎、渡哲也、寺尾聡、松田優作、三船敏郎といった錚々たる大物俳優が、紫煙をくゆらせながらトークするさまは、陳腐な言い方ではあるが、みな一様にカッコいい。
記念すべき1回目の放送では、タキシードを模したTシャツを着た徹子に対し、ゲストの森繁久彌が「どんな衣装なのか」と確認するフリをしながら、胸元をお触りするなどの、今じゃ即「セクハラだ」と言われてしまうシーンも見られた。
もっとも驚いたのが、樹木希林がゲストの回だ。この日の徹子の衣装は胸元が大きくVに開いたものだったのだが、オープニングでいつものように「皆様こんにちは。『徹子の部屋』でございます」とお辞儀をすると、徹子の2つの白いお椀ががっつり見えてしまう、あわや放送事故級のハプニングが…。ゲストの座り位置からはさらにその奥まで見えていたようで、樹木希林が驚いたように「今、チクビが見えました」と漏らしていた。
ちなみに今回のタイトルに「第1弾 名優&スター編」とあることから、おそらく近いうちに第2弾、第3弾が放送されるに違いない。さらなるお宝映像とともに、もしかしたら若かりし徹子の妖艶な姿をまた拝めるかもしれないと、今から楽しみで仕方がないのだった。
(堀江南/テレビソムリエ)