Jリーグ創成期はまさに「バブルな時代」だった。とかく派手なイメージがある初期のJリーグだが、実際にそうだったのはヴェルディ川崎の選手たちだけ…。サッカー元日本代表の城彰二氏が自身のYouTubeチャンネルで、そう明かしたのである。いわく、
「ヴェルディがJリーグ創成期を支えたクラブ。ヴェルディが全てだよね。カズさん、武田さん、ラモスさん、北澤さん、この人たちがJリーグの創成期を作った。Jリーガーはかっこいいとか、Jリーガーはモテるとか、Jリーガーは遊び人、全部ヴェルディのあの人たちが作ったんだから」
城氏をはじめ他チームの選手たちもヴェルディに憧れ、入りたいと思っていたというのだ。
派手でかっこいい姿は「狙って」やっていたものであり、ヴェルディの選手は自身をかっこよく見せる演出に長けていた。城氏が続けて回想する。
「ポルシェとかすごい車に乗っていて、クラブに華やかに登場するわけ。クラブに入るために並んでいる人たちがいるのに、そこを颯爽と歩いて(車の)鍵を(店員に)投げて預けて、そのまま上に入っていったりする。エンターテイメントだよね。ヴェルディの選手はそこが上手かった。憧れをマネージメントすることを、ヴェルディの選手はしていたと思う」
ヴェルディの中でとりわけ「自己演出」にこだわっていたのは三浦知良で、
「食事会の時に『8時に麻布(集合)ね』って言われて、俺たちは少し早めに行く。ある程度、集まって8時になったらお店に入るんだけど、カズさんはいない。カズさん来ないなってなると、電話が鳴る。(カズさんが)『もしもし彰二、みんな揃ったか』って。『揃いました』と言うと『OK。わかった。じゃあ今から行く』って。みんなが揃って着席してからカズさんが入ってくる。これもマネージメント」
さらにこんな演出もあったとか。
「ある神戸のお店はカズさんが入ってくる時、『ゴッドファーザー』のテーマを流す」
さすがはキングである。今聞くと、ちょっぴり恥ずかしいような気もするが。
(鈴木誠)