牝馬限定のマイルGⅠ。普通に考えれば桜花賞馬が格上の強みを発揮するパターンだろう。調べてみると、ヴィクトリアマイルを勝った桜花賞馬は、ダンスインザムード、ブエナビスタ、アパパネ、アーモンドアイ、グランアレグリア、ソダシの6頭。桜花賞2着馬もウオッカ、ホエールキャプチャ、ヴィルシーナと3頭おり、やはり距離適性は重要なファクターと考えてよさそうだ。
今回なら、ステレンボッシュが昨年の桜花賞馬で、アスコリピチェーノがその2着馬。当然、人気を集める存在だろう。
ただし、ステレンボッシュは前走2000メートルの大阪杯で自信満々に牡馬を負かしに出たが、原因不明のはね返され方で13着に惨敗している。「牝馬は消長が激しい」と、昔の格言の本には書いてあって、好走と凡走の波が激しいとその本は教えていたが、筆者の長年の実感としてはその逆。
走り出すとしばらく走るのが牝馬で、逆に凡走も続いてしまう傾向。というわけで、筆者のアンテナではステレンボッシュは、せいぜい押さえの評価にしかならない。
アスコリピチェーノは、桜花賞2着のあとNHKマイルCに挑戦して、そこでも2着。前走はサウジアラビア遠征で芝1351メートルという距離で勝った。つまりマイルまでのカテゴリーなら世界レベルで、状態も落ちていない。実は堅い連軸という見立てでいい。
クイーンズウォークは、秋華賞15着、小倉牝馬S6着で牝馬のまずい流れに入りそうだったが、前走、牡馬相手の金鯱賞で強い勝ち方をして見事に復活。マイルが最適かは不明だが、臨戦パターンはいい。
ボンドガールは明らかにマイラー。GⅠに手が届くとしたらここしかない。軽い走りをするため、そういう馬場なら際どく突っ込んでくる場面もありそう。
アルジーヌは長く好調を維持しており、この中間も鋭い動きが目立つ。この中に入ると格下感はあるが、調子のよさを甘くみるのは危険だ。
サフィラ、クリスマスパレード、アドマイヤマツリ、ビヨンドザヴァレーに打った△は、どれも好調馬をマークしたそれ。その点、ソーダズリングは着順が安定していないが、ちょっと男っぽい力強さに穴気配を感じての押さえ。