北村友騎手に言わせると「クロワデュノールは欠点のない馬」。全教科に5の評価がズラリと並んだ通知票を、当然という顔で持って帰って来る優等生なのだそうだ。
皐月賞の負けは、バックストレッチ半ばという、常識外れのマクリが2本(ファウストラーゼンと、その動きに乗ったアロヒアリイの追い上げ)飛んできたことで、クロワデュノール自身も早く動かざるを得なかったのが敗因。3カ月半ぶりというのも、突発的な出来事にリカバリーが追いつかない原因だったかもしれない。
とはいえ、勝ったミュージアムマイルもあちこちでガチャガチャしながらの走りだったのに、最後の伸びは強烈。皐月賞を見るかぎり、オール5に勝るミュージアムマイルの突き抜けた才能を認めないわけにはいかない。
ただし、今回はクロワデュノールに叩かれた強みが生じて、ミュージアムマイルには弥生賞を叩いた臨戦がダービーではマイナスに転じる可能性もあるとも考えることができる。人気はおそらく拮抗したものとなりそうで、◎はクロワデュノールに打つ。
レベルの高い2頭をひと呑みにするのは容易ではないが、可能性を秘めているとすればファンダムしかいない。毎日杯で見せた切れ味は、マイラーだからこそなのかもしれないが、血統的には距離をこなす下地は十分。北村宏騎手が、師匠の藤沢和雄調教師引退のあとに悲願を達成する可能性はある。
サトノシャイニングは、負傷で休業中の西村淳騎手に替わって、ダービー6勝の武豊騎手で大仕事を目指す。皐月賞の時点で、その前日に西村淳が負傷を押して騎乗していたとすれば、まだ勝負付けは済んでいないと考えることもできる。東スポ杯2歳Sでクロワデュノールに食い下がった実績を再評価だ。
エリキングを見直すのも悪くない。皐月賞は骨折明けで馬の雰囲気も全然盛り上がっていなかったが、今回はガラリ一変の好気配。人気急落だけに2歳時の3戦3勝を改めて評価したい。
あとは、マスカレードボール、ショウヘイ、レディネス、エムズだが、前記の馬たちとは少し差がありそうな気がする。