それはまさに「混ぜるな危険」を地でいく共演だった。
5月13日の「あのちゃんねる」(テレビ朝日系)は、あのちゃんが料理に挑戦する企画だったのだが、指南役としてゲスト出演したのが、料理愛好家の平野レミだったのだ。
まさに劇薬同士の組み合わせ。はたしてどんな化学反応を起こすのか。興味津々&怖いもの見たさで心が躍る。オープニングで今回の趣旨を説明する進行役の伊藤俊介(オズワルド)も心なしか、緊張している様子だった。
あのちゃんとレミさんは、今回が初共演。レミさんは今回、初めてあのちゃんのことを知ったそうで、その独特な喋り方に興味津々だった。
まずは、あのちゃんが以前、お父さんに振舞ったことがあるオムライスを調理し、その腕前を確認する。レミさんはあのちゃんの個性的すぎる調理の仕方にダメ出しをするのだが、聞く耳を持たないあのちゃん。しかも出来上がったオムライスに、ケチャップで「だまれ」(黙れ)とメッセージを添える始末だった。
その後、「料理のレパートリーを増やしたい」というあのちゃんに、レミさんが特製のハンバーグの作り方を伝授する。
ところがこれがもう、しっちゃかめっちゃか。レミさんが「皮に栄養素があるから」と、ニンジンの皮をむかずにすり下ろすことを推奨したためか、玉ねぎまでも皮のまますり下ろそうとするあのちゃん。
味付けの段階になると、塩を「小さじ2分の1」入れるところ、あのちゃんが小皿に盛られた塩をそのままドバーッと入れようとするので、レミさんが「ああ!大変!」と慌ててこれを阻止。オリジナルのソースを作る際も「とんかつソース」「生クリーム」「ケチャップ」をそれぞれ「大さじ2杯」入れるのに、スプーンからドボドボとこぼれるのを気にせずに混ぜようとする。レミさんは「そんな入れちゃいけないよ!」とマジ顔で制止するのだった。
普段、あまりに自由すぎる調理で共演者をあたふたさせているレミさんが、この日ばかりは完全にあのちゃんに振り回されており、見ているこちらは思わず大笑いしてしまった。
これはもう水と油かと思ったが、調理中、平野が「結婚のこと考えてんの?」「どんな男が好きなのよ?」と質問攻め。あのちゃんが「ボクみたいなのを受けいれてくれる人」と回答すると、平野は「受け入れてくれる。絶対、平気!」と太鼓判を押していたのを見て、レミさんと亡き夫・和田誠との馴れ初めを思い出した。
当時、和田誠が、久米宏のラジオ番組に出演していたレミさんのハチャメチャぶりに興味を持った、というのは有名な話。麻雀仲間でもあった久米に「平野レミを紹介して」と頼むも、久米が「あの女だけはやめておけ」と拒否したのだそう。
しかしその後、TBS関係者の伝手で2人は出会い、それから10日後に結婚した…というわけだ。
若い頃の自分に似た(?)ハチャメチャなあのちゃんを見て、レミさんはどこかシンパシーを感じたのかもしれない。早くも次の共演が楽しみな2人だ。できればレギュラーでやってほしい。
(堀江南/テレビソムリエ)