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Posted on 2025年11月01日 18:00

岡本和真、村上宗隆らNPBの侍たちの動向は?「労使協定」前年のMLBへの放出ラッシュ

2025年11月01日 18:00

 大谷に憧れるのはファンだけではない。次に続けとばかりに、NPBの侍たちが今オフのMLB挑戦を表明。一筋縄ではいかない、その舞台裏に迫った。

 今オフはMLBの移籍市場が活況を呈している。その背景を、スポーツ紙デスクが解説する。

「来季はMLBで5年に1度の労使協定が結ばれる年です。選手の年俸が高騰して、他国のプロリーグから移籍しようにも市場が開かれない可能性が考えられます。日本人を担当する代理人たちも、躍起になって今オフでの移籍を選手たちに促しています」

 真っ先にポスティング移籍を正式表明したのが、巨人の岡本和真(29)だった。今季は5月に接触プレーによる故障で約3カ月も戦線離脱したが、69試合の出場で打率3割2分7厘、15本塁打、49打点と主砲の意地を見せたものだ。

「打撃センスはもとより、ゴールデングラブ賞を三塁手で2回、一塁手で1回獲得した守備力にも定評があります。MLBでは、一塁手と三塁手を指す『コーナーインフィールダー』の市場価値が高まっています。中でも、今オフに三塁の名手・ブレイグマンがFAになったレッドソックスや、同じく正三塁手・マンシーの退団が囁かれているドジャースが岡本に熱視線を送っているといいます」(前出・スポーツ紙デスク)

 一見して前途洋々の船出に見えるが、移籍の承諾を得るまでには一悶着があったという。巨人の球団関係者が耳打ちする。

「阿部慎之助監督(46)が難色を示していたといいます。来季は3年契約の最終年だけに、代えの利かない主砲の放出はなんとしても避けたかったようです。2年連続で結果を残せず、わずか3年で監督のキャリアを終えることになりかねませんからね。ところが、フロントは移籍にゴーサインを出した。球団としては、『巨人=ポスティングNG』というイメージを払拭することを最優先に考えたようです。MLB志向のアマチュア選手に敬遠されることが多い今、スカウティングにおいて切実な不安要素になっているのです」

 過去に巨人がポスティングによる移籍を認めたのは山口俊(38)と、その時は残留を選択した菅野智之(36)だけ。いずれも投手で、野手にも寛容な姿勢を示す必要性に迫られていたというのだ。

「今後は、セットアッパーの大勢(26)やチーム最多勝の山﨑伊織(27)ら有望株の移籍も許してしまうのかといえば、あくまで岡本レベルの実績がベンチマークになります。柱として継続した活躍がなければ、ポスティングを許可しないでしょうね」(前出・球団関係者)

 ところで、岡本よりも高評価を得ているのがヤクルトの村上宗隆(25)。今オフのポスティング移籍がシーズン前から既定路線となっているが、

「三冠王を獲得した打撃センスと若さがセールスポイント。大本命はメッツでしょう。8月にスターンズGMが神宮球場を訪問するほどの熱の入れ具合で、もともと金満球団ではありますが、19年の本塁打王・アロンソが約35億円の来季契約を破棄するだけに、資金にも余裕がある。オーナーであるコーエン氏の方針とも言われています。日本市場を開拓したいのでしょう」(大リーグ評論家・友成那智氏)

 左右の和製大砲は島国のスケールに収まりそうもない。

 今季5位に終わった西武は、右の2枚看板の流出危機に頭を抱えている。1人目は3年連続2桁勝利の今井達也(27)だ。

「アマチュア時代からメジャー志向があったわけではありませんが、敏腕代理人のスコット・ボラス氏に口説かれて心変わりしたようです。ボラス氏は同僚の平良海馬(25)の担当で、球場を出入りする中で話をする機会を得たのでしょう」(前出・スポーツ紙デスク)

 MAⅩ160キロの直球とキレ味の鋭いスライダーが武器の「ドクターK」今井は、ここ数年でMLBの評価が急上昇している。

「総額300億円規模の契約も見込めると言われています。そうなれば、譲渡金が約46億円。27年オフに海外FA権を行使して出て行ってしまうのならば、チーム再建資金の調達と天秤にかけて、前倒しの流出も致し方ないかもしれません」(前出・スポーツ紙デスク)

 一方で、かねてよりMLB移籍を公言してきた髙橋光成(28)の評価は芳しくない。球界関係者が後を引き取る。

「昨季の『0勝』という体たらくで1年のペンディング。今オフは本人が希望すればポスティング容認となりそうですが、現状では年俸5000万円〜1億円程度のマイナー契約が関の山でしょう。太平洋を渡るつもりが、実質は関門海峡を越えるだけで、『来季の途中で舞い戻りソフトバンクに移籍している』との観測まで飛ぶ始末なのです」

 MLBを経てソフトバンクに─。荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、ポスティングを容認してくれた古巣・日本ハムを足蹴にしたソフトバンクの上沢直之(31)や有原航平(33)のような“悪しき前例”がある。

「球団が気持ちよく送りだしても、選手の不義理はまた起きるのです。所詮、個人事業主のプロ野球選手はカネ以外に自身の評価を比べる物差しはありませんからね。中でも、ソフトバンクの資金力はNPBの他11球団とは桁が違います。ましてや、同球団では補強すなわち“公共事業”のような論理が働いています。民間企業であれば、与えられた年間予算を余らせて目標を達成すれば評価されますが、ソフトバンクの場合は年度末調整が行われる公共事業のように、使い切らなければ自分の仕事を果たしたことにはならないといいます」(前出・球界関係者)

 もしも髙橋がシーズン途中で帰国しようものなら、格好のターゲットになるようで、

「西武はマネーゲームでは勝てないでしょう。22年のシーズン途中に帰国した秋山翔吾(37)の時でさえも、“シーズン途中案件”として金額をケチって、広島に奪われた前科もありますからね」(前出・球界関係者)

 楽天からはベテラン右腕の則本昂大(34)が海外FA権を行使。すでにピークアウトした選手と見られているが‥‥。

「キャンプに招待選手として参加するのが精いっぱいでしょう。どちらかといえば、楽天から出ることに重きを置いていると言われています。というのも、昨季からチーム事情で抑えに転向させられたのに、今季は敗戦処理や、“客寄せパンダ”として先発登板させられたりと散々な使われようでした。巨人の阿部監督がとにかく先発投手を、と乱獲指令を出しているようなので、国内外でどこからも必要とされない結末だけは回避できそうです」(前出・スポーツ紙デスク)

 それぞれの思惑がクロスオーバーする。波乱含みのストーブリーグは荒れ模様だ。

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