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記事全文を読む→漫画家・弘兼憲史の男子厨房に入るべし!〈チーズ〉チーズ最高峰の「モン・ドール」とろける食感がワインに合う
ワインを飲む時に欠かせないつまみと言えばチーズです。両者はとても相性がいい。チーズの塩気がワインの酸味や渋みを和らげ、味わいをまろやかにしてくれるのです。
ちなみに日本酒とも相性が抜群です。以前、「獺祭」の桜井博志会長に「獺祭にいちばん合うつまみはなんですか」と聞いたところ「チーズです」と言われました。日本酒と同じ発酵食品であるチーズの組み合わせは“至高のマリアージュ”となるのでしょう。
ここで少しチーズの薀蓄を。チーズは主に「プロセス」と「ナチュラル」に分類されます。前者は雪印メグミルクの「6Pチーズ」などで、一般的なスーパーでよく見かけます。一度、ナチュラルチーズを高温で溶かしてから型に詰めますから、日持ちがよく、価格も手頃です。
一方、後者は、生乳などを乳酸菌や酵素で固め、発酵させます。火を入れていないので乳酸菌が生きていて、熟成とともに味わいが変化していきます。日持ちはしませんが、風味の豊かさは、こちらが勝っていると思います。
ワインに合うのは、断然ナチュラルチーズです。代表的なのが「カマンベール」のような白カビチーズ、「ロックフォール」「ゴルゴンゾーラ」といった青カビチーズ、そして、外皮を塩水や酒で何度も洗いながら熟成させた「ウォッシュ」です。
このウォッシュは強い香りが特徴ですが、そのぶん味わいは濃厚で一度ハマると忘れられません。代表的なのが「エポワス」や「モン・ドール」で、いわばチーズの最高峰と言ってもいいでしょう。
僕がいちばん好きなのが円形の木箱に入ったモン・ドールです。事前に冷蔵庫から出し、常温に戻してスプーンですくって食べます。
レンジで温めてトロトロにして食べてもいいでしょう。秋・冬限定で4000円~1万円と高価格ですが、試してみる価値はあります。
かく言う僕も、上京するまではチーズに馴染みがありませんでした。初めて「チーズフォンデュ」を食べた時は衝撃的でした。
今では誰もが知っていますが、60年前はメジャーな料理ではありませんでした。実は、僕が住んでいた大学寮の向かいに、外国人留学生の寮があり、語学も勉強になるし、よく遊びに行っていました。ある日、彼らに振る舞われたのがチーズフォンデュだったのです。
まず鍋に白ワインと「エメンタールチーズ」と「グリュイエールチーズ」を入れる。この配合も留学生の間で、いろいろこだわりがありました。この溶けた温かいチーズソースを、ひと口大に切ったフランスパンにつけて食べるのです。
これが初めてのナチュラルチーズと白ワインとの出会いでした。学生の私にとっては、どちらも衝撃的で美味な食べ物でした。
今回はチーズの蘊蓄が長くなりましたが、寝酒のつまみにぴったり。皆さんもお手頃なチーズを試してみては?
弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年漫画家デビュー。以来『課長 島耕作』『黄昏流星群』などヒット作を次々生み出している。07年には紫綬褒章を受章。
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