芸能
Posted on 2015年04月07日 17:59

声帯摘出のつんく♂は、“新たな発声法”で今後も「歌唱指導」ができる!?

2015年04月07日 17:59

20150407tsunku

 喉頭ガンの治療のため、声帯の全摘を決断したつんく♂。4月4日には母校・近畿大学の入学式に出席し、スクリーンに自らの言葉を映し出すことでメッセージを伝えた。

 声帯とともに声も失ったとされるつんく♂だが、現在は新たな発声法の習得を始めたという。声帯がなくても声を出すことができるのだろうか?

 ここでまず、声帯の全摘がどういうことなのかを確認しよう。声を出すための器官である声帯は、肺に向かう気管の入り口にあたる喉頭(こうとう)に位置している。ノドには胃に向かう食道との分岐点があり、その分岐のすぐ先が、声帯を含む喉頭になるわけだ。

 つんく♂はこの喉頭にガンができ、治療のために声帯ごと喉頭を摘出。つまり、声帯だけを摘出したわけではないのである。なお、喉頭の近くには咽頭(いんとう)があり、口を空けた奥に見える中咽頭などが該当する。報道では両者を混同し、つんく♂が咽頭ガンだとする誤った記事もあるが、咽頭は声帯とは関係ない器官である。

「つんく♂のように声帯を含む咽頭を摘出した場合、肺に向かう気道が鼻や口と繋がらなくなる。そのため、ノドに『気管孔』という穴を空け、そこから空気を取り入れることになります。近大の入学式でつんく♂はノドを覆うようにスカーフを巻いていたが、おそらく気管孔を隠すためだったのでしょう」(医療ライター)

 そして、つんく♂が習得を始めたという発声法が「食道発声法」というもの。食道の一部を声帯の代わりに振動させるもので、器具が不要なうえに、一度マスターするとスムーズに話せるようになることから、優れた方法とされている。

「この食道発声法では、いったん空気を飲み込み、それを逆流させて声を出す。一度に出せる声の長さには限界があるが、上達すれば音程も取れるようになり、歌を歌えるようになることもあります」(前出・医療ライター)

 大きな声を張ることは難しいので、「自分が歌ってみる」という形での歌唱指導は厳しいが、歌の内容を言葉で説明するには十分だ。

 なお、食道発声法は簡単な会話がこなせるようになるまで3カ月~6カ月かかるとされており、一朝一夕に身につくものではない。だが、つんく♂は持ち前の精神力で声を出せるようになることだろう。その姿が、同じように咽頭を摘出した他の患者に大きな勇気を与えるに違いない。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク