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Posted on 2026年09月09日 16:30

ソフトバンク・周東佑京「27年ぶり満塁ランニング弾」が呼び起こした「1999年・小久保裕紀の奇跡」

2026年09月09日 16:30

 プロ野球における珍しい打撃に「ランニングホームラン」がある。それが出たのが9月8日のソフトバンク×日本ハム戦だった。しかも満塁ランニングホームランという、それまで過去に8回しか記録されていないものである。

 本拠地みずほPayPayドームの8回裏、二死満塁の場面で打席に立ったのは、ソフトバンクの周東佑京だった。金村尚真の3球目を捉えた大飛球は、右翼フェンスを直撃。大きく跳ね返ったボールを守備陣が追う間に、今季27盗塁の俊足は一気にダイヤモンドを駆け抜けた。

 初回の先制2ランと合わせて、この日は2本塁打6打点の大暴れ。14-1での大勝に導いたのだが、満塁ランニング弾は現監督の小久保裕紀がダイエー時代に記録して以来、27年ぶりだった。
「快速を生かした周東の一打もすごいですが、改めて小久保のケースがいかに奇跡的だったかを思い出しました」
 スポーツジャーナリストはそう語るのだ。

 1999年8月20日、福岡ドームでの日本ハム戦。2回一死満塁で、小久保の鋭いライナー性の打球を中堅の石本努が後ろへそらし、走者3人に続いて小久保まで生還した。これがいかにまれなものだったのか、続けてスポーツジャーナリストの説明を聞こう。
「今回のような二死なら走者は打った瞬間から走れますが、一死では捕球される可能性も考えなければならない。その条件で4人全員が帰ってきたのですから驚きです」

打球をそらしたのが失策と判定されなかったので…

 小久保の通算盗塁は58。周東のように足を売りにする選手ではなかった。
「さらに石本に失策がつかなかったことも重要です。失策による進塁で本塁へ帰ったのなら、ホームランにはなりません。打球を後ろへそらした場面が失策と判定されていれば、この記録は残らなかった。いくつもの条件が重なった一打でしたね」(前出・スポーツジャーナリスト)

 しかもこの回には先に秋山幸二が満塁ホームランを放っている。
「秋山が打って走者がいなくなった後、再び満塁になって小久保に回ってきた。1イニング2満塁弾だけでも珍しいのに、2本目がランニングというオマケ付き。こんな展開は今後もまずお目にかかれないでしょう」(前出・スポーツジャーナリスト)

 周東の快挙が、27年前の指揮官の奇跡まで照らし出したのだった。

(川瀬大輔)
1977年生まれ。国内外のビジネス、スポーツ、政治、社会問題を取材するフリー記者。

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