フジテレビ系で4月から放送されるオダギリジョー主演のドラマ「家族のうた」が、スタート前からモメにモメている。「パパはニュースキャスター」(87年/TBS系)のパクリだと、大騒動になっているのだ。
テレビ誌記者が話す。
「このドラマは、酔うと見境なく口説くミュージシャンの前に突然、中学生の3人の娘が現れ、世間に隠しながら生活するという話。一方の『パパは──』も、酒の勢いで寝た女たちとの間にできた3人の娘が田村正和扮するキャスターの前に突然現れ、世間に隠しながら共同生活を送るというもの。職業こそ違えど、ほとんど同じ設定ですね」
この「家族──」の内容がフジのHPで発表された直後、「パパは──」の脚本家・伴一彦氏がツイッター上で設定が酷似していることを指摘。〈呆れてます。恥ずかしくないのかなあ。類似じゃ済まないでしょう〉などと書き込んだことで、騒動が一気に広がった。
フジ側は一部夕刊紙の取材に対して「オリジナル」を強調していたが、2月20日、伴氏と「パパは──」のプロデューサー、そしてフジ側との間で話し合いが行われた。その件について伴氏に取材を申し込むと、
「この顚末については、私のHPに書きたいと思っています」
という返事だった。
伴氏のHPに「『パパはニュースキャスター』を巡るフジテレビとの顛末」の見出しが載ったのは2月23日。要約するとこうだ。
〈盗作の意図はなく、(中略)ドラマとしてのメインはその部分ではないのだけど、その部分が強調された形で発表されてしまい誤解を招いてしまったとのこと。また、担当局長は私たちの抗議を知り、「これはそう(盗作)と思われてもしょうがない」「アレンジしてパクリと言われないドラマを作りたい」と明言。現在設定改訂作業が行われているはずです〉
芸能評論家・肥留間正明氏が言う。
「日本のドラマの衰退を物語っている話だね。企画にオリジナリティがない。キムタクの『南極大陸』(TBS系)なんか映画『南極物語』の二番煎じだよね。今のドラマの企画って、例えばキムタクのスケジュールを押さえたということから始まる。で、キムタクが『こういうのは嫌だ』と言わないような企画を考えるわけ。そういう安易な構造で作るから企画がおろそかになる。情けないかぎり」
前出・テレビ誌記者によると、
「制作は何をしていいのかわからずハチャメチャな状況。スタッフも『ただでさえ気難しいオダギリジョーさんなのにカンベンして』とボヤいていますよ」
フジは上戸彩主演のドラマ「絶対零度」でも、米国ドラマ「コールドケース」のパクリだと騒がれた過去があるが、この企画者と脚本家が今回の「家族──」と同じ人物というのは偶然か。
伴氏はHPでこう締めくくっている。
〈イヤミでも何でもなく、心から「家族のうた」が面白いドラマになることを期待しています〉
そのとおりである。
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