社会
Posted on 2015年10月25日 09:58

風邪の時はケーキ、アイス、炭酸飲料は絶対NG!薬と食品の危険な「食べ合わせ」

2015年10月25日 09:58

20151025kaze

 病院に行き薬をもらうと必ず服用についての説明を受けるのだが、服用時間は注意しても、食事の内容は案外気にとめない。しかし薬は非常にデリケートなもの。一緒に取る食べ物によっては「毒」に化けるのだ。

 多数の著書がある齋藤勝裕理学博士は「毒と薬のひみつ」(サイエンス・アイ新書)でこう述べている。

〈複数の薬を服用することで、薬の効果が消えてしまう、逆に効果が必要以上に強まってしまうことは広く知られているが、これは薬と食品でも発生する。健康にいいと言われている一般的に口にする食品でも重篤な悪影響が出る〉

 そしてその食品が納豆であり、ステーキであり、フルーツだというのだから怖い。純正堂漢方薬局の渡邉正司薬剤師が説明する。

「まず納豆。含まれているビタミンKが血液を固まりにくくする薬(ワルファリンカリウム)の作用を弱めてしまう。ワルファリンカリウムは心筋梗塞の薬。また、マグロ、ブリ、サバ、サンマ、イワシ、カツオなどの青魚と、人気の漢方薬である葛根湯の組み合わせは×。青魚に含まれているヒスチジンは体内でヒスタミンに変化する。葛根湯はヒスタミンを体内にため込む働きがあるためヒスタミン中毒を起こしてしまうことがあり、青魚を食べた後に飲むと、顔面紅潮、発汗、嘔吐、頭痛という食中毒と同じような症状起こすことがあります」

 他にも解熱鎮痛薬や風邪薬の主成分であるアセトアミノフェンが胃の中で糖分と混ざると糖分と薬が吸着してしまい、熱が下がらず、痛みが引かなくなる。

 風邪の時はケーキ、アイスクリーム、サイダーなどの糖分を多く含む炭酸飲料はNGなのだ。また、アスピリンやイブプロフェンは胃を荒らしやすい成分。胃に刺激を与える食材(にんにくや唐辛子)と一緒に飲むと、胃がむかついたり、痛みが走ったりすることがある。

 ステーキは良質のたんぱく質が豊富だが、アミノ酸が胃腸壁からの吸収を妨げるため、高血圧症に処方される薬の効果を低下させる。あるいは柑橘類、りんご、ほうれん草、人参などの果物や野菜100%ジュースなど、アルカリ度の強い食品と一緒に不整脈治療剤を服用すると、血中濃度が上昇し、心停止することもある。さらにはカレーも要注意。糖尿病治療薬を飲んでる人は薬の血中濃度が上昇し、胃腸障害、発疹、低血糖などの副作用が起こることがあるからだ。先の「毒と薬のひみつ」にはこうも書かれている。

〈どんなものも、猛毒にもなれば良薬にもなる。副作用のない薬はなく、量や食べ合わせに無関係な毒もない〉

 医院で薬をもらう、あるいは薬局で薬を購入する際はくれぐれも薬剤師とじっくり話をすることが肝要だ。

(谷川渓)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/8/5発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク