社会

天才テリー伊藤対談「蓮池透」(2)被害者を説得したのは国じゃない!?

20160519o-3

テリー 蓮池さんが、安倍(晋三総理)さんや日本政府に疑問を感じたのは、いつぐらいからですか。

蓮池 安倍さんが一次政権を辞めた時ですね。それまでは多少期待していたんですが、拉致問題解決に向けて「あらゆる手段を尽くす」と言うばかりで何も進展しないので、「安倍さんにはもう期待できない」と思ったんです。

テリー 「あらゆる手段を尽くす」は、政府の常套句ですからね。

蓮池 一昨年の衆議院選挙の時、新潟二区から立候補した候補の応援演説のために、安倍さんが新潟に来たんですね。弟に応援依頼の声がかかって「忙しい」と断ると、今度はうちの両親を担ぎ出して「あの蓮池さんの両親も来てくれています」って演説したんですよ。いったい、いつまで拉致問題を政治利用する気かと。私はもう04年ぐらいから、あの青いバッジを見るのが、嫌になってきました。

テリー 拉致問題解決を祈念する象徴の「ブルーリボン・バッジ」ですね。胸に付けている議員を見ると、何か「いい人」のイメージをアピールできますよね。

蓮池 あれはもともと、市民運動から始まって、「被害者と家族は離れ離れだけど、朝鮮半島と日本は青い海と空でつながっている」という意思表示を託したものです。ですが、あれはもはや政治家にとって「政治利用の道具」なんですよ。胸に付けているだけで「拉致問題で頑張っています」というアピールになるし、選挙の時にも票が集まる。そんな思惑で国会議員や閣僚が利用しているのが、本当に気に食わないんです。単なるお飾りにされちゃ困ります。

テリー うん、結果が伴わないと意味がないものね。ちなみに、安倍さんもずっと付けてますけど。

蓮池 1月の国会で安倍さんが「バッジを外します」って言った時に、一瞬「どっちのバッジを外すんだろう?」と思ったんですけど(笑)。そしたら「議員を辞める」とおっしゃったので、「ああ、議員バッジのほうか」と。

テリー そのあたりは少し説明が必要ですね。1月の国会で民主党の緒方(林太郎、衆議院議員)さんが蓮池さんの本を取り上げて、「総理は拉致問題を政治利用したのか?」と質問したんですよね。

蓮池 そうです。そしたら安倍さんは「私はウソをついていない。もしウソだったら国会議員のバッジを外す」と言ったんです。

テリー 02年に弟さんたち5人の拉致被害者が帰国した時、当初は「一時帰国」という扱いで、1~2週間後には北朝鮮に戻る予定だったんですよね。

蓮池 そうです。それを止めたのが、当時官房副長官だった安倍さんということになっているけど、実際は私が弟を日本に残るように説得したんです。安倍さんは予定どおり北朝鮮に戻すつもりで、そういうスケジューリングで動いていた。

テリー ということは、蓮池さんが止めなかったら、5人はそのまま北朝鮮に帰っちゃってた?

蓮池 それが政府の方針でしたからね。でも結局、安倍さんと中山さんがその判断を自分の手柄にして、これが美談になっちゃった。

テリー 蓮池さんは、家族会の人とかマスコミに真実を言わなかったの?

蓮池 言いましたけど、安倍さんの意見のほうが大きく伝わったんでしょうね。ただ、私はウソをつく必要はまったくありませんから。安倍さんが5人の北朝鮮行きを引き止めたという事実はありません。

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