芸能

天才テリー伊藤対談「毒蝮三太夫」(3)改名は最初、本当に嫌だったなぁ!

20160602f

テリー どんな経緯で、まむしさんは「笑点」の座布団運びになったんですか?

毒蝮 あれはね、たまたま談志と俺が友達だったんですよ。大学1年ぐらいの時に知り合ったの。ある役者がいて、俺が「落語が好きだ」って言ったら談志を紹介してくれて、当時は「柳家小ゑん」って名前だった。同い年だし、ウマが合ったんだな。

テリー あ、談志さんと同い年なんですか?

毒蝮 そう。寄席に通ってるうちに、談志が楽屋へ入れてくれるようになったのよ。当時、新宿の末広亭なんかは桂文楽師匠、古今亭志ん生師匠、三遊亭圓生師匠、柳家小さん師匠と、大師匠がわんさといてさ。もう、その入りにくさといったら。

テリー そりゃあそうですよ。ヘタなとこに座っただけで怒られるし。

毒蝮 「そこは師匠が座るとこだ!」なんてね。でも、俺が寄席のしきたりなんか知るわけないじゃない。だから、「いやあ、どうも」って、いきなり(三笑亭)夢楽師匠の座布団に座っちゃったわけ(笑)。

テリー ありゃりゃ、そりゃダメだ!

毒蝮 でも不思議と師匠連中は嫌な顔ひとつしないで「ああ、どうぞ、どうぞ。お稼ぎですね。テレビで観ましたよ」なんて言ってくれたりするんだよ。本当かどうかはわからないんだけどさ(笑)。

テリー 普通ありえないですよ、そんなの。

毒蝮 で、談志はそれを見ていて、「師匠たちがああだったら、お前がこの世界へ入ったって絶対みんな嫌わないよ」って。そのあとも談志から、「師匠連中が『今度、石井君はいつ来るんですか』って言ってるから、お前来いよ」って。

テリー へぇ~、そうやって落語界との接点ができて、のちの「笑点」へつながっていくんですね。

毒蝮 本当は、俺の前に三升家勝松っていう座布団運びがいたのよ。でも彼は二つ目だから、真打になってる(三遊亭)円楽さんの座布団なんかひっぱがせないって言うの。取る時もそーっと取ったりしてるから、「もっとバッと取れるようなヤツじゃないとまずい。だったら、お前がちょうどいい」と。

テリー なるほど。

毒蝮 だけど、いきなり「座布団運び、やれ」ったって、やれるもんじゃないよ。だって当時の俺はヒーローだからね(笑)。ウルトラマンを倒したゼットンは、俺が最後にやっつけたんだよ?

テリー ハハハハ、そりゃそうだ! 地球を守った人が座布団を運ぶっていうのは、子供も驚きますよね。そのうえ、名前も変わってるし(笑)。

毒蝮 最初は「石井伊吉こと毒蝮三太夫」だったのよ。三太夫っていうのは、その前に談志と5分のショートドラマをやった時の役名。で、毒蝮ってのは、落語の中に「まむしみたいにやなヤツが来たね」とかいう言い回しがあって、円楽さんたちが「まむしも付けちゃえ」と。で、怪獣にも負けないような名前ということで「毒」を付けて毒蝮三太夫になった。

テリー しかしあらためて考えるとすごい名前(笑)。

毒蝮 そうだよ。最初は日テレに抗議は来るし、「毒蝮になった」なんてカミサンにも親にも言えないよ。

テリー あ、改名の件は伝えなかったんですか?

毒蝮 カミサンは当時働いていて、「笑点」観てなかったからすぐにはバレなかったけど、半年くらい経ったら、「あんた、ヘビになったの?」って(笑)。

テリー アハハハハ!

毒蝮 まぁ今は、みんなに「まむしさん」とか「まむちゃん」とか言われるようになってよかったけどね。最初は「おかしな名前になっちゃったなぁ」って。本当に嫌だったね。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
4
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身
5
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策