新宿、渋谷、池袋……休日に少し足を休めようとベンチを探し、「座れる場所がない」と驚いた経験はないだろうか。東京では今、「座るだけ」のことが、ちょっとした贅沢になっている。都内で働く40代のサラリーマンはこうこぼす。「昼休みに外へ出ても、座る...
記事全文を読む→【一杯酒場】東京・中野「第二力酒蔵」
ピリッと漂う緊張感と家庭的な接客 バランスが愛される最高峰の空間
中野の名門といえば、ここ「第二力酒蔵」。印象的な店名は、かつて新井薬師に1号店があったからだそうだが、今は昭和37年創業のこちらだけが残る。店内は間口から想像するよりも驚くほど広く、テーブル席、掘りごたつの小上がり、2階席など、それぞれが仕切られて独立した空間になっており、毎回どこで飲むかという楽しみがある。清潔でピリッとした緊張感があり、とはいえ店員さんたちはアットホームな接客で、このバランスが長年酔客たちに愛され続ける所以だろう。
達筆な黒短冊に白文字のメニューは、御年80歳になる常連さんに頼み、年に一度書いてもらっているものだそうで、これを眺めながら飲む酒のうまいこと。
大人気のもうひとつの理由は、新鮮な魚介を始めとした料理のクオリティの高さ。1250円と聞けば大衆店としては少々値が張るようにも感じる「初鰹刺身」も、厚みも量も通常の倍はあろうかという現物が目の前に届けば大納得。とろけるような身とキレの良い旨味に「安い!」とすら歓声を上げてしまうが、ここでは何を頼んでもそうなる。「白えび唐揚」の驚くべき香気、「谷中生姜」の清廉と、珍しいドゥンケル・スタイルのビール「琥珀の時間(とき)」のマリアージュが一時、日常を忘れさせてくれた。
■第二力酒蔵
住所:東京都中野区中野5-32-15 第二神谷ビル1F・2F 電話:03-3385-6471 営業時間:14:00~23:30 定休日:日
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