スポーツ

天才テリー伊藤対談「権藤博」(2)青木選手がムードメーカーの役を!?

テリー 投手コーチの立場から見て、今回の大谷(翔平)離脱はどう思ってらしたんですか?

権藤 痩せ我慢で「いなくとも代わりで何とかするよ」と言ってはいましたけど、そりゃあ不在は痛かったです。ただ、大谷がいても(球数制限で)65球しか投げられないんですよ。だったら、力の差があまりないピッチャーでつないだほうがいいか、というふうに考えを切り替えました。

テリー 大谷が出てたらバッターもやらせましたか?

権藤 ええ、先発の次の日はDH(指名打者)で使ったはずです。

テリー 最後のアメリカ戦、菅野(智之)の先発で結局、負けましたよね。その結果に関しては、どうお考えですか。

権藤 さっき言ったとおり、菅野も「選ばれたからにはミスしちゃいかん」みたいな気負いがあったんですよ。大事に行こうとすると、ピッチャーはだいたいスライダーが増えるんですが、それで真ん中に入った球を打たれましてね。

テリー 確かに、最初はそんな感じでしたね。

権藤 そういう悔しい思いの中で6勝しましたから、「よし、お前、もう一回チャンスが来たぞ」と言ったら、「わかりました!」と力強く答えましたので、小久保(裕紀)監督に「菅野で行きましょうか?」と提案したら「当然だ」と。

テリー リベンジには絶好の相手ですからね。

権藤 2番から8番まで、メジャーの3番バッターですからね。結果は1失点でしたが、エラー絡みで自責点ゼロですから、やっぱり大したものですよ。気合いも入っていましたし、「これぞ菅野!」という内容になったと思いますよ。

テリー あと、僕が気になっていたのは、青木(宣親)を調子が悪くてもスタメンから外されなかったですよね。あれは、どういう判断だったんですか?

権藤 今回、青木の存在は実に大きかったんです。第1戦で、センターに抜けそうな打球をダイビングキャッチして捕ったじゃないですか。で、ベンチに帰ってきた時、みんなでハイタッチしたんですけど、「バチーン!」って僕の手が吹っ飛びそうなぐらいの力が込もっていたんです。それで、みんな「これは頑張らなくては」という気持ちにスイッチが入ったんですね。

テリー 前回はイチローがムードメーカーでしたけど、今回はやっぱりメジャーの青木がその任を?

権藤 ええ。だからあいつが凡打しても、みんな黙っているんですよ。チームのために何とかしようとしている青木の姿が、みんなを発奮させた。だから打つ、打たないは別にして、青木は大事な選手でした。

テリー あと、最初は「第3のキャッチャー」と言われていた小林(誠司)も変わっていきましたね。今回、小林はかなりピッチャーのいいところを引き出していたんじゃないでしょうか?

権藤 それは大いにありますね。

テリー しかもまた、いいところで打ちましたよね。

権藤 えぇ、タイムリーは打つわ、ホームランは打つわ、一躍、時の人になっちゃってね(笑)。

テリー 小久保監督との采配の打ち合わせは、どんな感じだったんですか?

権藤 私はだいたい即決するほうなんですけど、今回は2人で何でも話し合いました。というのも私、今まで弱いチームばっかりにしか呼ばれてないでしょう? 最下位の近鉄、最下位のダイエー、最下位の横浜(笑)。

テリー またまた! 横浜は2回も優勝させているじゃないですか。

権藤 でも、今回はいい選手ばっかり集まっているからね。だから、よけいに悩んだんですよ。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「メジャーでは通用しない」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「獲得に虎視眈々」
2
不調の阪神タイガースにのしかかる「4人のFA選手」移籍流出問題!大山悠輔が「関西の水が合わない」
3
2軍暮らしに急展開!楽天・田中将大⇔中日・ビシエド「電撃トレード再燃」の舞台裏
4
新庄監督の「狙い」はココに!1軍昇格の日本ハム・清宮幸太郎は「巨人・オコエ瑠偉」になれるか
5
【鉄道】新型車両導入に「嫌な予感しかしない」東武野田線が冷遇される「不穏な未来」