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「夏の甲子園」連続出場の「本当の最長記録」は和歌山県勢が保持していた!

 今年の夏の甲子園の福島県代表は決勝戦でいわき光洋に5‐4でサヨナラ勝ちした聖光学院に決まった。なんと11年連続14回目の夏の甲子園出場となり、同校が持つ夏の甲子園連続出場の戦後最長記録を更新することとなった。

 それまでの記録保持チームは98年~05年の明徳義塾(高知)と05年~12年の智弁和歌山の両校が達成した8連覇が最高だった。その記録を3年も更新したのだから恐れ入るより仕方ないのだが、実は上には上がいる。聖光学院の記録は“戦後最長”という但し書きがつくのだ。

 では、戦前を含めての連続出場記録はというと、1915年の第1回大会から14年連続出場を果たした和歌山中(現・桐蔭)である。聖光学院も今や甲子園の常連チームだが、いまだに決勝戦進出がない点が惜しまれるところ。だが、この和歌山中は甲子園の創世記に“最強”と謳われる常勝軍団だった。特に21年の第7回大会~22年の第8回大会では大会史上初となる連覇を達成。続く23年の第9回大会でも決勝戦進出を果たしたが、甲陽中(現・甲陽学院=兵庫)の前に2‐5で敗れ、大会史上初となる3連覇を惜しくも逃している。ちなみにこの23年は和歌山中のあまりの強さを考慮して県予選では「和歌山中に負けたチームは特例として敗者復活を認める」という特別ルールまで作られたほど。ただ、このルールの恩恵に預かった海草中(現・向陽)が、再び対戦した和歌山中を脅かすほどの戦いぶりを見せたので、特別規定は1年限りで廃止されている。

 そしてこの海草中が29年に和歌山中の15年連続出場を阻み、和歌山県から初めて和歌山中以外のチームが夏の甲子園へと出場することに。ただ、この時は決勝戦での対決ではなかったので、予選決勝戦における和歌山中の連勝記録は戦後、桐蔭と校名変更した後も続いた。結局、その連勝記録が止まったのは72年第54回大会の紀和大会(当時は和歌山県と奈良県の代表が最後に対戦して、この2地区から代表1チームが選ばれていた)でのこと。奈良県代表・天理の前に4‐8で敗退して、第1回大会から続く県予選決勝戦での和歌山中=桐蔭の連勝記録がようやく止まった。その連勝記録は史上2位となる19連勝であった。

(高校野球評論家・上杉純也)

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