スポーツ

キング・カズ「W杯」への咆哮(4)3年越しのラブコールのワケ

徹底した肉体管理の裏に生涯現役へのこだわり
「必要とされるんなら地域リーグでも行くよ」

 キング・カズ効果は早くもフットサル日本代表チームにもたらされた。11月にタイで行われるW杯大会の日本戦3試合の地上波放送が決定。一躍脚光を浴び、チーム内に新たな刺激をもたらした。しかし、Jリーグとの二刀流を選んだカズの視線の先には、「生涯現役」の4文字しかないのだ─。

 10月1日からスタートしたフットサル日本代表チームの静岡第2次合宿には、さまざまなところに“キング効果”が見受けられた。スポーツ紙デスクが話す。

「W杯は3回連続出場ながら、過去と比較にならないほどの盛り上がりです。地上波中継が決定したかと思えば、宿泊先がビジネスホテルからA代表の定宿にグレードアップし、メンバーの目の色が変わってきています。チームのムードが明るく、カズを中心に『和』を感じます。台風の影響からFC横浜の練習日程変更となり、カズが合宿の初日に参加できなくても、メンバーからの不平不満はなく、『カズさんは立派な代表ですから』と、移動バスのキングシートも意識的に空席のままでした」

 この“キング効果”こそが、フットサル界が3年以上も前からカズにラブコールを送り続けきた理由だという。協会関係者が明かす。

「今年1月、カズがフットサルデビューしたチーム・エスポラーダ北海道の経営母体はLEOCという給食受託企業。実はFC横浜の親会社でもあるんです。エスポラーダがFリーグに参戦した09年頃からLEOCの会長や関係者が熱心にカズにオファーしてきました。今年6月から日本サッカー協会のトップに就任した大仁邦弥会長もフットサル連盟会長でしたから、カズの正式参戦発表後に『前々から要請しているし、機は熟した』と、歓迎したものでした」

 ただ、カズ自身、サッカーとフットサルを「違う競技」と話すように、40歳を越えてからの“フットサル挑戦”に悩み続けていたという。ところが、この悩みを吹き飛ばしたのが、昨年3・11の東日本大震災だった。前出の関係者が続ける。

「震災支援をしながらカズが心を揺さぶられたのは、東北の子供たちが外で遊ぶ時間を制限されているという現実でした。それで室内で楽しめるフットサルをもっと盛り上げたいという気持ちを強くしたそうです。同時に昨年のなでしこジャパンのW杯優勝が女子サッカーブームを呼ぶさまも一因だった。フットサルの認知度アップにW杯は絶好のチャンスですからね」

 3年にわたって代表の指揮を取るロドリゴ監督とも、偶然に出会った昨年のFIFAクラブワールドカップの会場で、長時間にわたって話し込んでいる姿を目撃されている。

 ただ、カズが最後まで気にかけていたのがスパイクのスポンサー問題だったという。民放サッカー担当記者が話す。

「30年余りもプーマ一筋のカズが(フットサル日本代表の)オフィシャルスポンサーのアディダスに替えたことは異例です。些細な問題にも映りますが、パフォーマンスを左右するどころか皮膚の裂傷やケガにもつながりかねないため、以前はA代表では、オフィシャルスポンサー以外のスパイクを履く選手は、ロゴやデザイン部分を黒のマジックで消して出場していたほどナーバスな問題でした。カズらしい気配りぶりに、“男気”さえも感じます」

 そこにはなみなみならぬカズの決意がうかがえるのだ。

カテゴリー: スポーツ   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
3
新2軍球団「オイシックス新潟」でくすぶる元広島・薮田和樹と元阪神・高山俊の「1軍復帰ロード」
4
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
5
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄