芸能

キャンディーズ「春一番」がカラオケから抹殺されていた

「作曲家とレコード会社が骨肉の争いを繰り広げ…」

 キャンディーズの往年のヒット曲「春一番」と「夏が来た!」が、カラオケから突然消えてしまった。その背景には、レコード会社と作曲家のバトルがあったというのだ。

 発端は今年の3月31日まで遡る。「年下の男の子」や「微笑がえし」などキャンディーズの数々の楽曲を手がけてきた穂口雄右氏が、「日本音楽著作権協会」(JASRAC)を退会したことがキッカケだった。

 本来、楽曲の著作権を管理するJASRACから離脱することは、著作権の管理を穂口氏自身が独自で管理することを意味する。

 穂口氏が語る。

「『春一番』『夏が来た!』の2曲は私が作詞作曲しているため、一人の判断でファンの皆さんに安心して低価格で楽しんでいただけるよう、自己管理としました」

 ところが、こうした穂口氏の対応に周囲の反応はさまざまだった。NHKはすぐに年間契約に合意したものの、ソニーグループが「春一番」の音楽配信を止めるなどの措置を講じた。

 つまり、カラオケなどでキャンディーズの一部の楽曲が、歌えなくなってしまっているのだ。

 だが、穂口氏が、このタイミングで音楽業界に一石を投じたのには理由があると言う。

「テレビ局が特定の曲を優先的に放送してヒット曲を作り出したり、CDに『握手券』をつけることで、作品の完成度とは無関係に売り上げを伸ばそうとする業界の体質に疑問を感じました。そうしたことが可能なのも、広告代理店系列の音楽出版社がJASRACが管理する多くの楽曲の著作権を取得しているからです。音楽著作権を1社で20万曲も集め、これを武器にアーティストや楽曲の囲い込みをやっている。こうした行為は音楽産業を衰退させるだけです」

 つまり、楽曲の著作権を独占的に管理する音楽業界の体質を問題視しているのである。

 その後、キャンディーズを巡るトラブルは、すでに「第2ラウンド」に突入している。

 ネットニュース「MyNews Japan」がレコード会社31社と穂口氏の訴訟を「春一番」と「微笑がえし」にリンクする形で紹介したところ、この2曲の「ユーチューブ」動画が日本レコード協会の要請によって削除されてしまったのだ。この事態を機に穂口氏は、著作権の問題点を積極的に指摘し続けている。

「ユーチューブ動画の削除要請は、主にレコード会社とテレビ局、またはその関連会社が行っています。しかしながら、これらの団体は著作権者ではありません。ちなみに、著作権者であるJASRACは、ユーチューブとすでに包括使用契約を締結しているので、JASRACが削除要請をすることはありません。それでは、何を根拠に削除要請を行っているかというと『著作隣接権』を根拠に行っています。もちろん、レコード会社とテレビ局は著作隣接権者なので、現行著作権法ではこれらの団体によるユーチューブ動画の削除要請は法にのっとった行為と言えます。したがって、ユーチューブから削除されないコンテンツをアップロードするためには、レコード会社の音源やテレビ番組を使用しないことが大切です」

 そして、穂口氏は著作権および著作隣接権の濫用こそが、著作権の法の精神に反していると主張するのだ。

「この条文の中でも『これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ』が重要で、著作権を盾にして国民の楽しみを奪う行為は、著作権法の立法の精神に反する行為と言っても過言ではないでしょう。著作権者や著作隣接権者は、国民が著作物を楽しむための多様な手段に対して、著作物の利用を公正に許諾し提供する義務があります。著作隣接権の既得権を過剰に行使して、文化や技術の発展を妨害する行為は慎まなければなりません。著作権は文化や技術の発展に寄与することを目的とした権利であることは間違いありません。したがって、レコード協会の行動は著作権法の立法の精神を踏みにじる暴挙と断言できます」

 著作権の間で板挟みとなったキャンディーズの名曲が、再び歌えるのはいつのことやら‥‥。

カテゴリー: 芸能   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身