芸能

テリー伊藤対談「村野武範」(1)女房が陽子線治療を見つけてくれた

●ゲスト:村野武範(むらの・たけのり)1945年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。劇団文学座出身。69年、NHKドラマ「走れ玩具」にて主演デビュー。71年、映画「八月の濡れた砂」(藤田敏八監督)に出演し、脚光を浴びる。72年、学園ドラマ「飛び出せ! 青春」(日本テレビ系)の熱血教師・河野武役で人気を不動に。ドラマの挿入歌「ひとつの地球に生まれて」「青春はどこに」で、歌手としてもデビュー。以降、多くの映画、テレビドラマ、バラエティ番組、CMなどに出演し、活躍の場を広げる。88年には「くいしん坊! 万才」(フジテレビ系)の7代目くいしん坊(レポーター)を務めた。現在も俳優業を中心に活躍中。今年9月に、39年ぶりのシングル「ハマナス/愛を下さい」(日本エンカフォン)を発売。

「八月の濡れた砂」「飛び出せ! 青春」などの青春スターとしてブレイク後、映画、ドラマ、バラエティなどで活躍する俳優・村野武範。大ファンを自任する天才テリーは、久々のソロシングル発売から、話題となったステージ4のガンからの生還まで、たっぷり話を聞き出した!

テリー 僕、村野さんのことは昔から大好きで、今日は家を出る前に、「一番好きな俳優さんと会う」って日記に書いてきたんです。

村野 ええっ!? それはうれしいなァ。僕こそテリーさんには昔からお世話になっていてね。最初にお会いしたのは、確かテリーさんが演出されたものまね番組でね、無理やり僕もやらされて「ひどい演出家だな」と思いましたよ(笑)。

テリー アハハハハ! こんな元気そうな村野さんが、ガンで余命宣告までされていたっていう話を聞いて、もうビックリしましたよ。

村野 ええ、中咽頭ガンだったんですよ。おかげさまで、もう治りましたけど。

テリー どういうことからガンが発覚したんですか?

村野 2年前の春、ノドのあたりに小豆大の出っ張りができたんですよ。近くの病院に行ったら「風邪です」と言われたけど、それにしてはおかしいと思って、別の病院に行ったら「これは精密検査を受けたほうがいいですよ」と。

テリー あらら。

村野 検査の結果、「ステージ4です」って言われちゃったんですよ。

テリー それって、もう末期じゃないですか!

村野 そうなんですよ、舌根にガンがあって、すでに3カ所に転移していました。しかも、「余命はどのくらいですか?」と聞いたところ、「聞かないほうがいいですよ」と。

テリー じゃあ、ガンを宣告されて、いったん、家に帰ったわけですね。その夜は、どんな気分で過ごされたんですか?

村野 その時はまだ痛みも何もないから、実感がなくてグーグー寝ちゃった(笑)。でも、放射線や抗ガン剤治療をすると、逆に体がどんどん悪くなっちゃうんじゃないか、なんて心配はしましたね。しかたがないので、先生の言うとおり入院の手続きを済ませた日の夜、女房が寝ている僕を起こして「別の病院へ行きましょう」と。

テリー それは、なんで?

村野 病気が発覚してから、女房がいろいろインターネットで調べてくれて、先進医療の陽子線治療というのがあることを知ったんですね。治療困難と言われる部位でも、条件が合えば治療が進められて、ステージ4の人でも完治した方がいらっしゃる、ということでした。どうせなら余命を延ばすのではなく、治るのならそれに賭けてみたい。だから先生に頭を下げて、女房が見つけてくれた病院のほうへ転院することにしたんです。

テリー それは勇気のいる決断でしたね。

村野 新しい病院で診療してもらった結果、「大丈夫です、うちで(治療)できます」と言われましてね、いやあ、その時は本当にホッとしました。

テリー ちなみに村野さん、がん保険には入っていたんですか?

村野 ええ、終身がん保険に入っていたし、先進医療特約もつけていたので、実費だけで済みました。テリーさんも入ったほうがいいですよ、僕みたいに、もしものことがあるかもしれませんから

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