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記事全文を読む→弘兼憲史×蛭子能収「人生は70歳からが最高だ」(4)今必要とされていることが幸せ
弘兼 蛭子さんは、70歳になって変わったと思うことはありますか。
蛭子 考える力がちょっとボケてきたかな。
弘兼 それは僕も感じます。この間も、TUBEの前田亘輝がどうしても思い出せなくて(笑)。顔も浮かぶし、歌も全部わかるのに名前だけが出てこない。
蛭子 わかります。俺もドラマに出る時、セリフを覚えられないことが増えてきました。
弘兼 70歳から楽しく生きる秘訣って何でしょう。
蛭子 それはやっぱりお金でしょう。貯金して、老後のために取っておく。
弘兼 蛭子さん、今も老後ですって(笑)。
蛭子 でも、まだ働いていますからね。弘兼さんは?
弘兼 健康じゃないですかね。最近、血圧が高くなっているんですが、もし脳梗塞みたいになって、後遺症が残ることになったら困りますから。手が不自由になると、好きな麻雀もできない、ゴルフもできない。何より漫画が描けなくなりますからね。
蛭子 じゃあ、健康管理はしてるんですか。
弘兼 なかなか難しいですね。365日、毎日欠かさずお酒を飲んでます。
蛭子 俺はお酒もタバコもやらないけど、ギャンブルは毎日したいというのはありますね。
弘兼 アハハハ。それも健康的とは言えないですね。この先、何か不安みたいなものを感じたりしますか。
蛭子 あるけど、今は考えないようにはしています。弘兼さんは「リタイヤ」って考えたことがありますか。
弘兼 ない、ない。
蛭子 やはり、働かないと生活が不安だというのはありますね。
弘兼 またまた。十分稼いでるでしょ。
蛭子 俺、自分がどれくらい稼いでいるか知らないから。
弘兼 でも、考えたら幸せなことなんですね。僕の仲間はサラリーマンが多かったので62~63歳でみんなリタイヤ組なんです。でも体が元気だから暇を持て余してるんですよ。やっぱり、人間って自分が必要とされてると感じることが、いちばんうれしいんです。
蛭子 弘兼さんの、理想の死に方はありますか。
弘兼 野良猫みたいな最期がいいですね。小雪が舞い降る夜中、どこかの橋の欄干にもたれかかって喀血して、ズルズルと倒れていく。朝になって「あれ、弘兼じゃないか?」って発見される、みたいなね。あるいは藤子・F・不二雄先生みたいに、漫画を描いている途中に机で大往生も憧れますね。
蛭子 俺は映画「麻雀放浪記」の、高品格が演じた出目徳が、幻の役満と言われる「九蓮宝燈」をあがってショック死したシーンが好きなんですよ。
弘兼 それはいい(笑)。
蛭子 ただ、ギャンブルで死ぬなら、負けてスッカラカンになった時がいいです。勝ってお金だけ残して死ぬのは、もったいないじゃないですか。
弘兼 ハハハ、いかにも蛭子さんらしい考え方ですね。どんな最期を迎えるか、まだわかりませんが、それまでお互い、充実した老活を楽しみたいものですね!
弘兼憲史(ひろかね・けんし) 1947年山口県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、松下電器産業(現パナソニック)勤務を経たのち、74年に「風薫る」で漫画家デビュー。「人間交差点」で小学館漫画賞、「課長島耕作」で講談社漫画賞、「黄昏流星群」で文化庁メディア芸術祭優秀賞と日本漫画家協会賞大賞を受賞。07年には紫綬褒章を受章。現在、「島耕作シリーズ」や「黄昏流星群」を連載中。
蛭子能収(えびす・よしかず) 1947年長崎県生まれ。高校卒業後、看板店、ダスキン配達などの職業を経て33歳で漫画家デビュー。現在、俳優、タレントとしても活躍。主な著書に「正直エビス」「ひとりぼっちを笑うな」「蛭子の論語」など。
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