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記事全文を読む→麿赤兒 唐十郎と土方巽の魅力を語る
テリー 唐さんって、どういう方だったんですか。僕は麿さんより6つぐらい年下ですけど、僕らの頃の唐さんは、もうすごいカリスマで。
麿 いや、同じですよ。とにかく犯罪と芸術が紙一重みたいなヤツでね。
テリー へぇ。
麿 唐と最初に会った時、「ごめんください、さようなら」って書いた段ボールの切れ端を見せて、「こういう芝居をやりたいんですけど、どうですか」って言うから「おもしろいヤツだな」と。それで7年ぐらい一緒にやったんですけど。その間に唐の演劇というか、マインドみたいなものもかなり刷り込まれたし。そのマインドコントロールが7年して解けたんですよ。
テリー あ、洗脳されてたんですね(笑)。
麿 まぁ「唐の言うことなら何でもやるぞ」みたいなね。で、それはそれで成功して、調子に乗ってやってたんですが、ちょっとずつズレが出てきましてね。
テリー それはどういう?
麿 セリフが多すぎてね。それだとこっちは舌が回らないし、もうちょっと体で遊びたいのもありましたし。「ごめんください。さようなら」を言うまでに15分かかるみたいなね。
テリー 麿さんらしい。
麿 もともと彼は文学のほうが詳しいし、書くのも速くて、ひと芝居、2~3日で書いちゃいますからね。
テリー 天才ですよね。
麿 それで、ちょっと限界を感じたのと、僕がやめたあとに小林薫だとか、新しいヤツが入ってきて、その頃には「ロートルは退くべきだ」みたいな雰囲気もありましたし、それでやめることにしたんです。
テリー 舞踏の創始者の土方巽さんと出会うのはそのあとですか。
麿 いや、唐のところにいる時ですね。土方さんのところにかわいい女性がいて、「あんた暇でしょ。ちょっといらっしゃい」って言うんで、「俺に気があるのかな」と付いて行ったら彼の稽古場だったんですよ。
テリー いいことできると思ったのに(笑)。
麿 そうそう(笑)。だけど、とにかく田舎丸出しの人でね。正月だったんですが、どてらを着て、わざわざ稽古場の真ん中に七輪を置いて、餅を焼いてて、「食え」って(笑)。で、僕は東京に出てきてから決まった宿を持ったことがないんですけど、「ここに居ついていいですか」って、居候することになったんです。
テリー 唐さんと同じで、魅力があったんでしょうね。いくつの時ですか。
麿 22ぐらいですかね。でも、居候の代わりにキャバレーのショーに行くんですよ。当時のアルバイトの時給は100円ですけど、キャバレーに行くと1日2万円ぐらいになるんです。
テリー 夢のようじゃないですか!
麿 それを土方がほとんど持っていくんですよ。搾取どころじゃない(笑)。あくまでも芸術のためですから。ただ僕も純粋でしたから、1000円もらえば十分でしたけどね。
テリー 当時の1000円ってすごいですよね。
麿 20分踊って1000円ですから。体の鍛錬にもなるし、どうすれば酔客を引きつけられるかとか、いろいろ考えながらね。
テリー そうやって経験を積んで。
麿 そういえば、浅草のフランス座でやる時は(ビート)たけしさんが「おい、前衛が来たぞ」とか言ってたみたいですよ(笑)。別に顔見知りじゃなくて、チラッとすれ違いでしたけど、「あいつら変なことしてるな。あれ、前衛だってよ」って言ってたらしいです。
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