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野村克也×江本孟紀「2018プロ野球開幕“ど真ん中大放談”」(5)性格が悪いのは「不治の病」

 プロ野球も無事に開幕を迎えたが、引き続き御大二人の舌鋒は止まらない。お互い、時に体調面など“男の弱味”を吐露する場面もあるが、そこはアッパレ、百戦錬磨。返す刀で周囲を笑い飛ばす怪気炎を連発するのだ。

──野村監督、昨年末の沙知代さんの件は、ご愁傷さまでした。

野村 びっくりです。その日は、ダイニングで座ってテレビを見てたんですよ。隣の部屋にいた僕にお手伝いさんが、「奥さんの様子がおかしいですよ」と言いに来てくれて。急いで行くと、テーブルに頭を乗せて突っ伏していたから、背中を支えて「どうした?」って聞いたら、「大丈夫よ」って。これが最後ですよ。普通じゃないから、すぐに救急車を呼びましたが、来た時にはもう意識がなかった。あっけない最期で。ただこっちはもうびっくりするばかりですわ。

──1月25日に行われた「お別れの会」では、江本さんが発起人を務められました。

江本 いや、大勢いるうちの一人という感じでね。端っこのほうにちょっと名前があるだけですよ。

野村 みんなに協力してもらって。まあ、サッチーも喜んでるでしょう。いろいろありますけど、今はあらためて、男の弱さを痛感してます。本当に、男って弱い。

江本 そう言われると、男はみんなそうですよね。

野村 まず、食事にしたって何にしたって、生活がいろいろと不便ですよ。それに、奥さんでありながら、マネージャーでもあって、僕のスケジュールを全て彼女が作っていましたから。前の日に、明日は何時にどこへ行く、と教えてくれるんです。僕が、「あんまり先のことはしんどいから言わんでいい」と伝えていたんで、毎日、次の日のことだけ教えてくれました。奥さんがいると何にも思わないけど、いなくなって思うことがいっぱいありますね。

──一方で江本さんは、1月29日の旭日中綬章受章記念の祝賀会で、胃ガンの手術を公表されました。

野村 そうだよ。体調大丈夫か。顔色が悪いんじゃないか。

江本 いやいやいや、大丈夫ですよ。悪かったら寝込んでますから。パーティーには監督も来ていただいて。大変な時期やったと思うんですが。

野村 こっそり入院してたらしいね。全然知らなかったよ。

江本 こっそりというか‥‥(苦笑)。人に言うもんでもないんで。

野村 ああ、そりゃそうだ。

江本 見舞いに来てもらえば治るもんでもないですから。まあ、60歳超えれば二人に一人はガンでしょう? 患ったからって何にも不思議なことはないですよ。

野村 胃ガンになるのは、何か原因があるの?

江本 食いすぎですわ。

野村 お前、そんなに食ったっけ?

江本 僕はめちゃくちゃグルメですから(笑)。たぶん、ここまで食わなきゃ、家が一軒くらい建ってたんと違いますかね。

野村 そんなだったか。

江本 酒は飲まないし、たばこも吸わないでしょ。もう、食うしかないじゃないですか。だから食い意地が張ってるんです。

野村 そりゃいい趣味だ。

江本 手術をしたのが去年の6月ですし、もうすっかり回復してます。明日から仕事でアメリカに行けるぐらい元気ですから。

野村 そりゃ何よりだ。性格が悪いのは、そう簡単には治らないだろうけどね。

江本 それはもう、お互いに不治の病ですよ(笑)。

野村克也(のむら・かつや) プロ野球史上初の捕手三冠王にして、安打、打点、本塁打、出場試合数のいずれも歴代2位の記録を持つ。南海、ヤクルト、阪神、楽天の監督を歴任し、球界随一の知将として輝かしい成績を残した。

江本孟紀(えもと・たけのり) 70年に東映フライヤーズに入団。翌年、南海に移籍すると野村監督に才能を見いだされ活躍。プロ通算113勝で81年に引退する。92年から参議院議員を2期12年務め、現在は独立リーグ・高知ファイティングドッグス総監督。

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