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記事全文を読む→ビートたけしの名言集「殿との『ミニコント』に苦戦するゾマホン」
「よしゾマホン、安住さんが来たら肩もめ。それでな、『お前、もっとちゃんともめよ』って言ったら、ブードゥー教の呪文を唱えろ」
先日、毎週土曜の夜の生放送「新・情報7daysニュースキャスター」がこのたび10周年を迎えたため“いつもとは違う形で”といった趣向から、楽屋でくつろいでいる殿のところに安住さんが入って来て、そこから生中継するといったオープニングと知った殿は「だったらゾマホンとミニコントをやるか」となり、本番前、付き人のゾマホンに冒頭の指示を出したのです。で、殿がやろうとしたコントはこうです。
カメラが殿の楽屋に入ってくる。そこにはなぜか、頭の上に靴をちょんまげのように乗せた殿が、ゾマホンに肩をもませている。が、ゾマホンはなかなかうまく肩がもめず、イライラした殿が「何やってんだ! ちゃんとやれ!」と声を上げると、焦ったゾマホンが母国・アフリカはベナンで信仰されているブードゥー教の呪文を殿の後頭部に向かって唱え出し、殿が最後に、「お前はいったい何やってんだ!」とツッコむ、大変シュールな構成です。
殿はこういった、ゾマホンを使ったミニコントをよくやるのですが、うまくこなせないゾマホンはその都度、殿から軽く叱られ、「にににに、日本の笑いは難しいよ」と嘆きます。
そんな光景を目にするたび、ベナンの国立大学を首席で卒業し、国費で中国の北京大学に留学して、さらには日本の上智大学大学院で学んだゾマホンが、たけし軍団的お笑いに日々苦悩している姿に、何とも言えぬ世の不条理を感じてしまいます。
で、少しばかりゾマホンを弁護すると“殿とのミニコントは難しい”という事実です。
わたくしも殿とのミニコントを幾度となく経験していますが、ゾマホン同様、なかなか殿が思った動きができず、軽く叱られた過去が何度もあります。
で、うまくできない原因はいくつかあるのですが、一番の原因は、殿に対してアガッてしまうことです。
ミニコントをやるうえで、改めて至近距離で殿に近づき、殿の体に触れたりすると、決まって頭の中が真っ白になり、自分が何をやってるのかわからなくなるのです。
そんな中、殿から「お前、さっきから何やってんだよ!」と、冷静なツッコミを入れられると、さらにアガり、その結果、余計な動きをしてしまって、状況はさらに悪化します。
以前、やはり殿から簡単なミニコントを要求されたゾマホンがアガり倒してパニックになり、なぜかいきなり、「ノッチでーす!」と、顔が似ていると言われていた芸人・ノッチさんの自己紹介ギャグを血走った目で連発し出し、殿から「お前、何だそれ? 誰がそんなことやれって言ったよ!」と、いつもよりきつめのお叱りを受けていたこともありました。
尊敬する師匠とのコントは、はたから見るより難しいものなのです。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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