芸能

天才テリー伊藤対談「目黒祐樹」(3)実は兄貴の喪失感は意外となくて…

テリー 子役時代からブランクを経て、いきなりの主役。どうでしたか。

目黒 いやぁ、これは大変でした。子役の頃って、ただ大人に言われたことをやっていただけですから。いきなり「きちんとした演技をしろ」と言われても、できないですよ。

テリー 今と違ってフィルム撮影ですし、余計に緊張しますよね。

目黒 僕を厳しく指導してくださったデビュー作の監督には本当に感謝していますけど、まあ当時は落ち込む日々でしたよ(苦笑)。NGを出すと「いくら損していると思ってるんだ!」なんて怒られたり、「はい、目黒君ができるまで、みんな休憩」と言われてセットの照明を消されたり。独りでセットに残って、ブツブツとセリフを練習したりしましたね。やっとセリフを覚えても、次は表現が追いつかなくて‥‥そんな私が曲がりなりにもどうにか役者を続けてこられたのは、やっぱり周りの方々のおかげだと思いますね。

テリー いえいえ、そんなことないでしょう。僕はお兄さんの松方弘樹さんとお仕事で親しくさせていただきましたけど、弟の立場から見た松方さんはどういう存在だったんですか。

目黒 うちの兄貴、ガキ大将だったんですよ。年も5年離れていますから、昔からケンカすれば負けるし、あらゆる面で勝負にならないんです。僕が小学校に入った時、兄貴には手下みたいなのが何人かいて、休み時間になると、僕が誰かにいじめられてないか、見に来るんですよ。学校中にニラみをきかせている感じでしたね。

テリー ガキ大将なんてかわいい感じじゃなくて、それ、番長じゃないですか。

目黒 そうかもね(笑)。僕にとって、死ぬとか倒れるなんてまったく思いもしない存在だったから、兄貴が入院した時は本当にビックリしました。

テリー 亡くなる1年ぐらい前に松方さんと偶然会ったことがあって、ちょっと立ち話したんですが、その時もすごく元気でしたからね。釣りばっかりやっていて、顔も真っ黒で。

目黒 あぁ、僕もメイクさんによく言われていたんですよ。「祐ちゃん、お兄ちゃんね、時代劇で白塗りしたくても、あんなに肌が黒光りしていたら化粧が乗らないのよ。誰も言えないから、祐ちゃんから注意してあげて」って。

テリー そんなこと言っても、松方さんは聞かないですよね。

目黒 ええ、いくら言ったって「俺はこれでいいんだ!」の一点張りで。

テリー もう頑固だから。お見舞いには、けっこう行かれたんですか。

目黒 いや、あんまり行けなかったんです。僕が頻繁に行くと病院がバレちゃいますから、時々電話をしていつ行ったらいいかを確認して、タイミングを見計らって、みたいな感じだったものですから。最初は話もしていましたけど、だんだんしゃべれなくなって。

テリー ああいう人がいなくなると、寂しくなりますよね。

目黒 よく「喪失感があるでしょう」と聞かれるんですが、実はそうでもないんです。だって兄弟といっても、大人になってからはそれぞれの都合もあるし、何かの節目にしか会わなくなるじゃないですか。今はただ、その間隔が長く空いているだけ、みたいな気分なんですよ。

テリー ああ、なるほど。

目黒 今でも電話をかけたら「なんだよ?」って、兄貴が出てくれそうな気がするんです。もうあれから2年以上たっているって頭ではわかっていても‥‥なんなんでしょうね、この感覚は。

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