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記事全文を読む→仁徳天皇陵「菊のタブー」10の謎に迫る(1)全長500メートルは世界最大級
歴史の教科書でもなじみの日本最大級の「仁徳天皇陵」を含む古墳群が、ユネスコの世界遺産に登録されることが決定した。まるで鍵穴のような不可思議な墳墓のイメージが強いものの、その実像はあまり知られていないのが正直なところ。「菊のベール」に包まれた10の謎を専門家と解き明かす。
文化庁が文化遺産に推薦していた「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」について、国際記念物遺跡会議(イコモス、本部・パリ)が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に対し、「登録が適当」と勧告したことが発表されたのは今月14日のこと、だった。これにより「仁徳天皇陵」として管理されている国内最大の前方後円墳などが、6月のユネスコ世界遺産委員会で世界文化遺産に登録される見通しとなったのだ。
にわかに注目されることとなった「仁徳天皇陵」だが、学術的な疑問や、あまり知られていない逸話も多い。天皇陵研究の第一人者、関西大学文学部非常勤講師・今尾文昭氏の解説を交え、知られざる巨大古墳の謎に迫ってみた。
【1】そもそも仁徳天皇陵とは?
冒頭に記したように、今回、世界遺産に登録される見通しとなったのは、「百舌鳥・古市古墳群」。大阪府南部の堺市と、羽曳野市にまたがる2つの古墳群で、4世紀後半から5世紀後半頃に造られた49基の古墳からなる。宮内庁が「仁徳天皇陵」として管理する前方後円墳もその49基のうちの一つで、「大山(だいせん)古墳」とも呼ばれる。全長約500メートルは国内最大で、エジプト・クフ王のピラミッドや中国・秦の始皇帝陵などと並び、世界最大級の王の墓とされている。
【2】仁徳天皇陵の名称の由来は?
古墳の名前には埋葬者とされる人物をもとに宮内庁が名付ける「陵墓名」と、地域に伝わる古い地名をもとに研究者が名付ける「遺跡名」がある。「仁徳天皇陵」というのは陵墓名で、遺跡名は「大山古墳」。文化庁の資料では、「仁徳天皇陵」については陵墓名が、他の古墳については遺跡名が使われており、性質の違う2つの名称が混在している格好だ。今尾氏は、「文化庁が『仁徳天皇陵古墳』と表記したことは問題」だと話す。
「仁徳天皇陵」が仁徳天皇の墓かどうか疑問を抱く研究者も少なくないからだ。詳しくは後述するが、埋葬者が誰なのかは、いまだ確定されていない。
「世界遺産登録で『仁徳天皇陵』と書かれてしまうと、それが独り歩きしてしまう。『大山古墳(仁徳陵古墳)』と併記するのが望ましいでしょう」(今尾氏)
【3】仁徳天皇とはどんな天皇だったのか?
5世紀初めに在位したと見られ、皇室の戸籍にあたる皇統譜では第16代の天皇とされている。その名は「古事記」、「日本書紀」にも記されており、その事績から「聖帝」とも評される。
「民の家から炊事の煙が上がっていないことで民の貧しさに気づき、税を免除。みずからも質素な生活をした」という逸話はあまりに有名だ。
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