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2020年・東京五輪招致運動の最中、3月上旬にIOC評価委員会が来日調査を実施した。だが招致そっちのけで繰り広げられたのは、除外候補競技同士の醜い内ゲバ。「残り1枠」に食い込もうと「対抗馬」を潰しにかかったのである。いったい何やってんだか。
今年9月の開催地決定を控え、東京、マドリード(スペイン)、イスタンブール(トルコ)による三つ巴の「2020年・五輪招致活動」が、いよいよ最終コーナーにさしかかりつつある。
折しも3月4日から4日間にわたり、国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員14人が来日し、東京視察が行われた。猪瀬直樹東京都知事(66)やロンドン五輪メダリストたちによる「売り込み」と「接待」が展開されたことは記憶に新しい。しかしながら、猪瀬知事が大成功と自画自賛した華やかな開催地アピールの裏には、実に醜い光景が広がっていたのだ。
IOC評価委員の視察現場に随行した招致委員会スタッフが苦笑する。
「メダリストたちが“お国のために”駆り出され、タイトなスケジュールに振り回されているのは、見ていて本当に気の毒でした。中でも不満タラタラだったのは、サッカー女子の澤穂希(34)。親しい関係者に『こんな状況ではやってられない』とボヤいていました」
澤といえば今年1月、ロンドンで行われた海外メディア向け記者会見にも招致アンバサダーとして同行したように、五輪招致には積極的な印象があるのだが‥‥。招致委スタッフが続ける。
「3月末のなでしこリーグ開幕を控え、最も調整が必要な時期に、五輪イベントであれだけ時間を取られたら大変です。澤本人が大切なトレーニングの時間を割いて協力している招致活動なのに、招致委員会はまるで協力して当たり前といった顔をしている。当人の都合より委員会の都合優先で、有無を言わさず連れ回されました。田中陽子ら若手選手の台頭著しいINAC神戸に所属する澤としては、わずかな時間でも惜しいに決まっています。本人の意向などまったくおかまいなしに宣伝要員として利用されることに相当ストレスがたまっている様子でしたね」
対照的に、澤と同様のハードスケジュールと「協力して当たり前」の崖っぷち環境の中で、鬼気迫るヤル気でこなしていたのはレスリング女子の吉田沙保里(30)だった。
周知のとおり、今年2月のIOC理事会で2020年大会の競技候補からレスリングが除外され、残された1つの枠を野球、ソフトボール、空手、スカッシュなどと争うハメになったのである。JOC関係者が言う。
「レスリングの練習よりも招致、という気持ちでいっぱいです。自分が前面に出ることでレスリングをアピールできる。レスリングを候補へと復活させるのに必死で、不満ひとつ言いませんでした。レスリング会場が予定される東京ビッグサイトで評価委員を迎えた際、吉田の目の色が違うと、私たちの間でも話題になりましたよ」
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