スポーツ

天才テリー伊藤対談「小橋建太」(4)主治医も怒るほど大変な復帰劇とは

テリー そんな強靱な小橋さんに腎臓ガンが見つかった時は驚きましたよ。

小橋 あの時は「なんで俺が?」と、頭が真っ白になりました。06年に健康診断のエコー検査で腫瘍が見つかったんです。

テリー 特に予兆はなかったんですか。

小橋 ふだんはまったく風邪をひかないんですが、その年はなぜか風邪をひきやすくて、治ったと思ったらすぐぶり返す、みたいな感じだったんですよ。だから、妙な感じがしたら単なる風邪の症状でも、念のため病院に行ったほうがいいと思います。

テリー さすがの小橋さんも、ここは治療に専念するしか‥‥。

小橋 本当は試合に出るつもりで、「試合に出てもOK」と言ってくれる病院を探したんですよ。でも、セカンドオピニオンを聞いたら「もし腎臓が破裂してガン細胞が散らばったら、手遅れになる」と説得されて、手術することにしました。

テリー そんな状況で、よく1年半で復帰できましたよね。

小橋 手術前日の夜、主治医に「腎臓ガンから復帰したアスリートは今までいない。まずは生きるところから考えましょう」と諭されたんですが‥‥なんとかもう一度、1試合だけでもリングに戻りたい。そういう気持ちでしたね。

テリー まさに前人未踏のチャレンジだった。

小橋 はい。体重も20キロ以上落ちていましたから、まず筋肉を戻さなきゃいけないんですけど、筋肉のもとになるタンパク質って腎臓によくないらしいんですよ。主治医に「タンパク質を摂らずに筋肉をつけるトレーニング法はありませんか」と聞いたら、「そんなことする人、今までいないから知りません!」と怒られてしまいました(笑)。

テリー さすがだなァ。となると、復帰戦はさぞかしグッときたんじゃないですか。ファンも涙で迎えましたし。

小橋 不思議なもので感傷的にはならなかったです。リングへの花道を見た瞬間に、「さあ、勝負だ!」と闘病前の気持ちにすぐ戻れたんですね。

テリー 最近のプロレスもチェックされているんですか。

小橋 日テレG+(CSのスポーツ専門チャンネル)でレギュラー解説をやらせていただいていますから。そこは本当にテリーさんに感謝しているんです。覚えていますか、僕の引退パーティーで挨拶をお願いした時に「小橋に仕事をあげてください」とおっしゃったことを。

テリー もちろんですよ。小橋さんはいい人だけど、不器用でね。とても世渡り上手には見えないから、本気で心配してあの言葉が出たんです。

小橋 アハハハ。あれはみんなに「感動した」と言われました。普通の引退パーティーだと、もっと当人を持ち上げるようなことを言うのが当たり前なのに、テリーさんは歯に衣着せず、僕に対する不安をズバッと言ってくださったんですよね。あれは身が引き締まりました。

テリー 挨拶のあと、何人かに「よく言ってくれた、小橋のことを本気で応援してくれてありがとう」と声をかけられましたよ。

小橋 あの言葉が、今の自分の仕事のあれこれにつながっていると思います。本当にありがとうございます。

テリー いやいや、小橋さんの不屈の精神なくして、それは成しえなかったんだから。今後も健康に気をつけて、頑張ってください。

◆テリーからひと言

 スポーツジムの経営や講演会で忙しそうで、小橋ファンとしてはうれしいかぎりだ。無理してほしくはないけど、ぜひ第2の小橋、「王道プロレス」の後継者も育ててほしいな。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身