事件

福島第一原発の真実!(4)作業員同士の会話はゼロ

 免震棟を出た我々は、問題の原子炉建屋を目指して敷地内を歩き回りました。
 免震棟の周りは広い駐車場になっており、作業員や東電社員が乗ってきたバンやトラックが駐車されている。駐車スペースがとぎれたところを右折すると、山岡氏は広い道路に出た。そこを左折し、ひたすらまっすぐ歩いたという。
 原子炉建屋へ歩いて行ける最短ルートが遮断されていたため、本来なら人は歩かない作業車専用の道を行くしかなかったのです。幸い、前を3人の作業員が歩いていたので、それほど怪しまれることはありませんでした。
 1キロぐらい歩くと、未舗装の道になり、水たまりを避けながら進みました。やがて道路が3つに分かれます。我々は海に向かって斜めに走る道を選びました。やがて、雑木林に入っていく細い道が現れました。
 結局、1号機から4号機まで一望できる丘陵地帯にたどりつくまで誰にも会うことなく、警戒もされなかった。これでいいんだろうかと思いました。MOX燃料(ウランとプルトニウムを混ぜ合わせて作った燃料)を使った3号機には、建屋までわずか50メートルの地点まで接近、撮影しました。目の前に無残な残骸をさらす原子炉建屋は現代の絶望の象徴です。何か人間の愚かさを象徴する「猿の惑星」のラストシーンのようでした。
 原発の作業は人間性がないなどと言われますが、Jヴィレッジでも福島第一原発の敷地内でも、作業員同士の会話を聞いたことがありませんでした。見る物、聞く物、全てが秘密に属し、口外するなと言われているのか、話す気力もないほど疲れているのか‥‥。いずれにしても、これは健全な人間の労働ではありません。階段でへたり込んでいる作業員の姿は、家畜か奴隷のようでした。
 私は原発そのものに反対ですが、こんないいかげんで、ずさんなシステムの、未来に責任を持てないものは今すぐやめろと言いたい。段階的にやめるべきだと言う人がいるが、人間は忘れっぽい。忘れた頃を見計らって為政者はまた原発を造り始めるでしょう。そうならないためにも、全国にある原子炉を廃炉にすべきです。電力が足りなくなると言うかもしれないが、それは詭弁。その分、水力発電所や火力発電所の稼働率を上げれば済むだけの話です。

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