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記事全文を読む→川上哲治 同郷V9戦士・末次利光が明かす「肥後もっこす」ぶり
川上哲治といえば、野球ファンに説明の必要はない。現役時代は「打撃の神様」、そして監督としては不滅の巨人軍V9を達成した。現役時代、V9選手の一人として支えた末次利光氏(71)が語るその素顔は──。
「何より、同郷(熊本県人吉市)であることが大きかった。何といったって川上監督は“神様”なんですから。だから、入団して2、3年は、とてもじゃないが口をきけるような存在じゃない。偉大すぎて。(のちに入団した)堀内(恒夫)が気安くしゃべるのを見て、うらやましかったよ(笑)」
末次氏が言うように、川上氏は厳格な性格で知られており、選手には厳しい指導を持って当たっていた。もちろん、そこに同郷のよしみなどという甘えは寸分も入らない。この川上氏の「厳しさ」は報道陣にも向けられる。徹底した報道規制、いわゆる“哲のカーテン”だ。しかし、末次氏はその真意をこう語る。
「“哲のカーテン”も誤解されている。監督は何より選手のこと、野球のことを考えて、『ここからは(哲のカーテンだ)』と言ったのに、それに尾ひれがついて伝わってしまった。ただ、監督はそれに対して言い訳は一切しないんです。典型的な『肥後もっこす』(頑固一徹な熊本の県民性)の気質なんです」
つまり、「選手のことを考えて練習を非公開にしたい」といった説明を丁寧にすることなく、報道陣をシャットアウトしたことが、当時は今以上に反発を呼んだということのようだ。
そんな川上氏の薫陶を受け、のちに指導者となる末次氏だけに、大きく影響を受けたのは言うまでもない。
「“報恩感謝、野球人としてより、一人の人間であれ”が口癖。試合前も松下幸之助さんや、本田宗一郎さんの話を野球に例えながら、勝負への取り組みを話してくれた。何といっても我々は社会人の経験がないからね。それと、コーチとしては、指導方法‥‥ひと言で言えば、最後まで諦めない。勝負に対する執念。これは、ものすごく勉強になった。特に、今の選手は結果をすぐ求めるが、どんな状況でも厳しく最後まで諦めない。まあ、今は、子供相手(現在、「ジャイアンツメソッド宮崎ベースボールスクール」名誉校長)なので厳しくは言えないけど(笑)」
川上氏が亡くなる前の数年は、残念ながら会う機会がなかったというが、それでも末次氏の川上氏への畏敬は変わらなかった。
「現役時代は、ともかく、野球に打ち込める環境を作ってくれたことが大きい。野球人として考えると、昭和40年、V9のスタートから入団できたのは野球人生最高の幸せだったと思う。それだけに、川上監督が亡くなったのはショックです。こんな衝撃は現役時代、練習中の事故で視力が極端に落ち、現役を続けられなくなって以来です。選手生命が突然、終わったことと、監督が亡くなったこと‥‥人生の2大ショックですね」
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