芸能

「たかじんとたけし」東西帝王の酒場交流“涙”秘話(1)

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「関西の視聴率男」の名をほしいままにした、帝王・やしきたかじんは東京など歯牙にもかけないと思われがちだった。しかし、本音は真逆だったようだ。それだけに、東京のトップ・ビートたけしとの交遊はかけがえのない財産だったのである。

 1月3日にやしきたかじん(享年64)は逝去したが、「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ系)、「たかじん胸いっぱい」(関西テレビ系)、「たかじんNOマネー」(テレビ大阪系)という高視聴率冠番組3本は、死してなお継続が決まった。さすがは「関西の視聴率男」の面目躍如である。

 たかじんの冠番組といえば、かつて深夜帯にもかかわらず、関西で20%を超すお化け番組「たかじんnoばぁ~」(読売テレビ系)があったことを思い出す。テレビの収録でありながら、本物のバーを模したセットで酒を飲み、危険球スレスレのトークを繰り広げた伝説のバラエティだ。

 中でも25.1%という高視聴率を記録した、93年5月8日放送のビートたけし(67)がゲスト出演した回は衝撃的だった(翌週15日にも後編が放送された)。

 何より、たけしが関西の番組に初めて出演した、ということが話題となったのである。放送内で、その経緯をたけしが話し始め、“東西芸人の壁”について触れた時のことだ。

 これに対し、バーのマネジャー役・トミーズ雅(54)はあまり気にしないといった立場の意見を口にしたのだが、なぜか、たかじんが激高しだしたのである。

たけし「何か芸人さんって、東京と関西って妙な壁あるよね」

たかじん「あるあるあるある」

「僕は全然ないです」

たけし「ない?」

たかじん「ウソ言え!」

「ホント、ホント」

たかじん「ウソ言えっ!」

「壁はないでしょ」

たかじん「ウソ言えっ!」

「いやっ、ホンマホンマ」

たかじん「あるわっ!」

たけし「何もそんなにシーンとさせなくても(笑)」

 たけしのひと言で冷静さを取り戻したたかじんは、苦笑いを浮かべて頭をかくのだった。この時、たけしの横でグラスを傾けていた共演者・島田洋七(63)が、たかじんの“過剰反応”について語る。

「あれは、大阪の番組やから、視聴者へのリップサービスかもね。大阪はけっこう意識するから。でも、たかじん自身、本当は東京でやりたかった。『1回ぐらい東京でやりたい』って言うてたもん。俺が『世界恋愛教教祖』って企画書を書いて、どっか持ってったけど通らなかったな」

 たかじんといえば、「東京」という名曲ではヒットを飛ばすものの、かつて挑んだ東京進出では、関西でのような地位を築くこともなく早々と撤退している。以降は、半ば「東京嫌い」のイメージすらついてきた。洋七はこう否定する。

「何か、たかじんが『俺は大阪でしかせえへん』みたいなことを言ってたようなのを読んだけど、それは本音じゃないと思う。大阪だけで流れる番組で大阪の悪口は言わないですよ。『東京なんか何や』言う人多いやん。でも本来なら、東京で勝負しようと思ってる人いっぱいおるもんね。行く勇気ないから『東京なんか‥‥』言うけど、東京は日本一の市場やから。たかじん、バカちゃうから、心から全否定はしてなかったよ。俺に『東京、1本でもやりたいな』言うてたから」

 たかじんはたけしと初共演した収録後、一緒に酒場に繰り出すと、胸に秘めていたその野望を明かし、かつては果たせなかった東京で通用するテレビ番組の企画について相談していたという。

「たけしは『そりゃあやりてえよな、全国ネット』って言ってたよな。『どういう時に考えるんですか?』って、たかじんが聞いたら、『適当だよ、あんちゃん』とか言うてたかな」(洋七)

◆アサヒ芸能1/21発売(1/30号)より

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