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記事全文を読む→“日本のリバプール”博多スーパースター列伝<第6回>チャゲ&飛鳥(2)
チャゲアスはデビューと同時に「フォーク演歌」と揶揄された。デビュー曲「ひとり咲き」が持つ独特の情感を指してのことだが、西田は、それこそが「博多っ子」の歌だと思った。
「ヤマハが作ったんじゃなく、福岡の空気を吸って生まれたのが『ひとり咲き』だよ。だって、どうして博多発のミュージシャンが成功するかわかる?」
西田は東京や大阪との違いを力説する。大都会ではバンドのメンバーが抜けても代わりはいるが、博多ではそうはいかない。
「例えばベースがケガしたら、じっと戻りを待つのが博多人。それだけ結束も強いし、街に根ざした“土着”の歌を作れるんだよ」
西田は飛鳥が博多のあちこちの店で弾き語りをしている姿を何度も見た。同じく同郷の陣内孝則やチャゲと博多で飲んでいると、たまたま同じ店に居合わせた財津和夫が会計を済ませてくれたこともあった。
さらに博多の絆を象徴するのは、西田の師匠である「ゆーとぴあ」が渋谷でライブを開いた時のこと。ラ・ママというキャパ200人ほどの小劇場だが、西田は飛鳥に電話を入れた。
「ちょっとお忍びのゲストで出てよって頼んだら、チャゲと2人で本当に来てくれた。デビュー当時じゃなくて『SAY YES』が売れた後だよ。お客さんはざわざわしているのに、ホープ師匠だけは『どっちがボケでどっちがツッコミなんだ?』って見当違いのことを聞いてるし。でも2人はトークで笑いを取って、3000円のギャラをもらって帰っていったよ」
ヤマハのポプコンで第12回大会(76年)のグランプリに輝いたのは、西田恭平が率いた「ホワイトハウスII」が歌う「鐘」であった。以来、恭平は歌手だけでなく、ポプコンの九州地区の司会者としても後輩たちの面倒をよく見る。
もちろん、1つ年下だったチャゲアスの2人も何かにつけて場を持った。
「もともとは別々に歌っていた2人だけど、飛鳥がチャゲを手伝うという形で合流したんです」
チャゲ単独でもポプコン福岡大会を制したほどの実力だが、いざ飛鳥と並んでみると心境に変化が生じた。恭平は2人の兄貴分として、その決意を聞いた。
「チャゲがいい形で脇役に回るということになったんです。一緒にやっていくうち、飛鳥のほうがはるかに才能があるとわかったんですね」
ボーカリストとして、ちあきなおみから光GENJIまで幅広く提供するソングライターとして評価される飛鳥だが、恭平は「さらに上回るもの」があると言う。
「それはコミュニケーション能力ですよ。どんな人に対してもフラットに、そして誠意を持って接することができるのは、なかなか見つからないほどの人間性」
それはデビュー前も、ブレイクした後も変わらなかったそうだ。
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