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記事全文を読む→劇団ひとり 柳楽優弥と大泉洋をキャスティングした理由
テリー そもそもこれは、なんで撮ることになったの?
ひとり 脚本を書いたのは、映画を撮る7年ぐらい前なんですけど。とにかく(原作の)「浅草キッド」を自分の手で映画にしたい、他の誰にも撮られたくないという思いから脚本を書いたんです。で、いろんな配給会社に持って行ったんですけど、断られ続けて。最終的にネットフリックスが拾ってくれたんです。
テリー そうか、7年も前から動いてたんだ。そうすると、たけしさん役を誰にするかもずいぶん悩んだ?
ひとり たけしさんって天才がゆえの孤独感というか、どこまでいっても誰とも分かち合えない感じがあって。それでいて、ふとした瞬間に見せる狂気みたいなものが、僕のイメージなんですね。その意味でいうと、柳楽さんは、たたずまいが若い頃のたけしさんにすごく似てるなと思いまして。たけしさん役を決める時、僕は日本のあらゆる俳優を1回当てて想像してみたんですよ。その中で最もしっくり来たのが柳楽優弥さんでしたね。
テリー (深見千三郎役の)大泉洋さんは、前に監督した「青天の霹靂」でも主演だったよね。
ひとり 深見千三郎さんは、原作にもあるんですけど、ほんとにヤクザみたいな人で、強面だったっていうのは有名な話で。最初は大泉さんは考えてなかったんですよね。でも、キャスティングで悩んでる時に、ふと「青天の霹靂」を見返してみたら「この人が深見千三郎をやったらどうなるんだろう」って、すごく見てみたくなって、最終的にお願いしました。
テリー たけしさんの言った通り、2人ともたしかに、タップは頑張ってたね。
ひとり あれ、振り付けは(北野武監督の)「座頭市」のタップでも有名なHideboH(ひでぼう)さんにやっていただいて。タップって足元しか動かさないんですけど、ものすごく肉体的に大変みたいで、2人とも汗だくになりながらやっていただきましたね。まったくタップを踏んだことがない、ゼロの状態から毎日練習していただいたんですけど、ほんとに出来上がりは見事でした。
テリー ラストでたけしさんがフランス座の楽屋をずっと歩いていくシーンの演出も良かったね。
ひとり あれはもう単純に、最後に「浅草キッド」をフルで流したくて。
テリー あれは長回し?
ひとり いえ、長回しじゃないです。3つぐらいのブロックに割って、カメラを振ったところでつなげてますね。僕は最初、長回しでやりたかったんですけど。なんかワクワクするじゃないですか、その日みんなで「そのシーンのためだけに頑張ろう!」みたいな。
テリー 現場は盛り上がるね。
ひとり でも、さすがに衣装さんから「ちょっと着替えが間に合いません」「メイクもムリです」って言われて。結局、カットを割ることになりました。
テリー でも、わからないね。俺は仕事柄そういう目で見るけど、それでも1カットに見えるよ。
ひとり 撮った僕でさえ、どこでつないでたんだっけと思いますから。
テリー ねぇ。
ひとり でも、役者の皆さんにはお世辞抜きで、僕が期待していた以上の芝居をしてくれて、すごく感謝してますね。やっぱり、いい芝居をしてくれないと、いくら頑張って脚本書いて、セット組んで、カット割っても何にもならないじゃないですか。その意味で、ほんと役者さんには頭が下がります。
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