スポーツ

プロレス中継の60年は日本のテレビ発展史だった

 1954年2月19日、蔵前国技館で行われた力道山&木村政彦VSシャープ兄弟の一戦は、日本のプロレス史上初の国際試合であり、NHKと日本テレビによって2局同時に中継された。さらに毎日新聞など一般紙においても、その結果が報じられたというのだから驚かされる。

 初の中継といってもテレビの歴史が始まってから1年で、受信機の普及率は1割にも満たない。そこで日本テレビの社主である正力松太郎は、主要の駅に無料で見られる街頭テレビを設置。東京・新橋駅においては、実に2万人もの人々が押し寄せたという記録もある。

 こうして大成功を収めた日本プロレス界だが、すぐにスキャンダルにまみれてしまう。力道山のパートナーだった木村政彦が「八百長抜きで俺と闘え」と宣戦布告。プロレスはショーなのか真剣勝負なのかの議論が巻き起こったが、それでも力道山の人気は衰えることがなかった。63年のザ・デストロイヤー戦では64%という歴代でも4位の高視聴率を獲得している。その間にもテレビで試合を見た多くの老人がショック死するなどの報道もあったが、むしろ、スキャンダルのたびにプロレスは成長してゆく。

 力道山の没後にはジャイアント馬場の全日本プロレスと、アントニオ猪木の新日本プロレスに分裂。ここでも全日本でブッチャーがテリーの腕にフォークをめった刺しにしたり、猪木が舌を出して失神するなどの“事件”があった。世間では非常識、あるいは不祥事と思われることも、馬場いわく「シューティング(真剣勝負)を超えたものがプロレス」との名言もあり、テレビの歴史にプロレス中継は「清濁併せ呑む」という大きな役割を果たしてきたのかもしれない。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
4
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身
5
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策