スポーツ

ミスター・長嶋茂雄「好き・嫌い」の境界線(1)攻守ともに四球が大嫌い

 記録ずくめの完全試合に魅了されたか、あのミスターも令和の怪物にゾッコンだ。現役のエースたちを差し置いて「ナンバーワン」と絶賛するのは、過去に惚れ込んだレジェンドらの面影が見え隠れしていた──。

 いわゆる“推し”との初対面が実現したのは、6月3日の日本生命セ・パ交流戦、巨人対ロッテのプレーボール約2時間前だ。東京ドームの一室に、この日先発するロッテ・佐々木朗希(20)を激励する巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(86)の姿があった。巨人の球団関係者が解説する。

「本来、先発当日に相手投手を呼び出すのはご法度ですが、ミスターたっての希望で面会がセッティングされました。28年ぶりに完全試合を達成した右腕と相対するや『君が日本でナンバーワンのピッチャーだ』『(192センチの)身長大きいね』と絶賛コメントを連発。さすがに佐々木はガチガチに緊張していたらしく、終始笑顔ながら恐縮しっぱなしだったそうです」

 文字通りホメ殺された影響なのか、その後の先発マウンドで大乱調。今季初被弾を含む5回5失点で降板する憂き目を見たが、ミスターの評価は覆らない。

「バックネット裏の特別室で観戦していたのですが、巨人の応援よりも佐々木の160キロのストレートと150キロに迫る高速フォークにメロメロの様子でした。早くもミスターは日本シリーズでの再会を心待ちにしているんだとか。プレス向けにも『私が見てきた約80年の中で杉下茂さん(96)、金田正一さん(享年86)、佐々木主浩さん(54)の3人がナンバーワンでしたが、今は佐々木朗希くんがナンバーワン』と、レジェンド超えに太鼓判を押すほどの入れ込みようでしたからね」(球団関係者)

 図らずもミスターの口から出てきたのは大投手3人。令和の怪物との共通点について野球評論家の角盈男氏は「ミスター好みの快速球と縦に落ちる変化球の使い手」と指摘した上で、こう分析する。

「互いにフォークが代名詞の杉下さんや佐々木主浩は言わずもがなですが、金田さんのカーブも縦に割れるドロップでした。2人と比べると、杉下さんのストレートは遅いかもしれませんが、当時はコンスタントに140キロ中盤を出す速球派の1人。ほとんどの打者にはフォークを投げるまでもなく、ストレートとカーブのコンビネーションで三振を量産できる剛腕でした」

 そのうえ、ミスター好みの投手に欠かせない要素がコントロールの良さだ。角氏が続ける。

「とにかく、ミスターは四球が大嫌い。無死満塁の攻撃でカウントスリーボールノーストライクから『待て』ではなく、スクイズのサインを出すこともありましたからね。要は、攻守ともに四球が眼中にない。与四球の少ない4人に惹かれるのも頷けます」

 快速球と落ちる変化球のコンビネーションで三振を量産した、世界のドクターKこと野茂英雄氏(53)の名前はミスターの口から挙がらなかった。

「野茂は与四球の多さでミスターの好みに合致しません。かくいう私もコントロールが安定しない部類なので、決して覚えめでたい存在ではありませんでしたが‥‥」(角氏)

 走攻守三拍子ならぬ、スピード、落ちる変化球、コントロールこそ、ミスターが超一流投手と認める3大要素なのである。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
都はるみ「引退⇒復帰⇒活動停止」そして矢崎滋と東北ビジネスホテル暮らし/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史
2
岩城滉一「舘ひろしと昔はほぼ毎日一緒にいた」/テリー伊藤対談(3)
3
挫折の末に大谷翔平の妻になった「バスケ元日本代表」真美子夫人のアスリート人生
4
前園真聖マヌケ大失態!RX-7を買って運転免許合宿に行ったらひとり取り残された
5
見た者すべてを不幸に!「世界一呪われた絵」に潜む「奴隷82人の残虐拷問死体」