社会

みのもんた「内閣改造の本当の狙いは…?」

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「国会議員の半分は女性にしろ!」というのが、私の持論。みのもんたは「女性におべっかを使っている」とか「スケベな野郎だ」とか言われるかもしれないけど、この世は男と女がほぼ半分で成り立っているんだから、政治だろうと会社だろうと、半々の意見でやっていかないとね。男が多かったら男の意見に偏ってしまう。法律で「国会は男女同数であるべし」と決められている国もあるくらいなんだからさ。

 そこで、このニュースについて論じてみようか。

【安倍総理「内閣改造」を決断】

安倍晋三総理が連立を組む公明党に9月に内閣改造を行うことを説明。9月第1週には改造が行われる。早くも、人事を巡る報道が過熱。石破茂幹事長に新ポストの「安保法制大臣を打診」、「菅義偉官房長官留任」など、多くの報道がなされる中、「女性閣僚の登用」が改造の目玉であるとする報道も目立っている。

 安倍内閣については、今までの約2年間、改造なしで閣僚が1人も交代することもなかったのは立派だと思うよ。それは評価したい。これまでの内閣は目まぐるしく変わりすぎたからね。政治というのは、このくらい腰を据えてやってくれないとダメですよ。

 内閣改造については、さっきの「女性閣僚の登用」が目玉になるという報道もあるけど、わざわざ目玉とされるということは、ふだんは女性を差別してんのかね、安倍さんは(笑)。まあ意図はどうあれ、どんどん女性を使ってほしいよ。

 一方で、「入閣待機組50人」なんていう報道もあった。当選回数の多さで大臣になれると思っている、だらしのない議員の多さにはビックリしたね。それは議員も腐るはずだよ。政治に対する姿勢で入閣は決めるべきだよ。ベテランの味もあるけど、新進気鋭には気鋭なりの猪突猛進のよさがある。見込める能力があれば大抜擢でいいんだよ。

 でもね、今回の内閣改造の“本当の目玉”は何だと思う? それは、なぜこのタイミングなのかを考えれば、おのずとわかる。私は「防衛問題」だと思う。集団的自衛権行使容認から話は続いてるんだよ。

 アメリカの最新戦闘機を買うことが決まっている。1機何百億円もするんだよ。昔、テレビで戦闘機導入に積極的だった政治家に「170億ですか! それだけ高いってことは何人乗れんの?」と聞いたら、「ジャンボ機じゃないんだよ」と怒られたこともあったなあ(笑)。しかも、買うのは1機じゃない。アッという間に兆の単位になる予算が必要になってくる。その予算を組むための内閣改造かもしれない。

 戦闘機にしても「中国や北朝鮮の脅威から日本を守るため」というわけだけど、それは、今までの「個別的自衛権」の話でしょう。次の改造内閣からは「集団的自衛権」の行使を念頭に入れなきゃならない。ウクライナ問題がこじれて、アメリカが軍事介入したら、日本は同盟国として飛んでいかなきゃいけないかもしれない。今のアメリカの国防長官は、アメリカ軍は戦地に極力行くなって考え方ですから、同盟国にシワ寄せが必ず来るよ。そんな日米関係を考えると、新ポストの「安保法制担当大臣」というのも、やっぱり防衛問題を最重要課題とした内閣改造なんじゃないかと思えてくる。

 そういう世相の裏をシビアに見なきゃダメですよ。袋とじのグラビアも上からのぞいてるだけじゃダメ、自分でしっかり開いて見なきゃわかんない(笑)。冗談はともかく、今回の内閣改造はすごく日本の防衛に関して、大きな影響を与えると思うんだよね。軍事政権なんてならなきゃいいけど‥‥。この前の滋賀県知事選で反自民の候補が勝ったけれど、今年は福島県知事や沖縄県知事の選挙がある。原発と辺野古移設問題、どちらも重要な問題がある県だ。ここでぜひ踏みとどまってね、地方から変革を起こしてほしいよ。

◆プロフィール みのもんた 1979年に文化放送を退社後、フリーアナとなる。以後、数々の番組で司会、キャスターを務める。1週間で最も生番組に出演する司会者のギネス記録保持者でもある。

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