スポーツ
Posted on 2014年06月19日 09:59

「ネイマールのW杯」をアシスト!? ブラジル人が手のひら返しで称えた西村レフェリーのジャッジ

2014年06月19日 09:59

 いよいよ盛り上がってきたサッカーのブラジルW杯。開催国の若きエース、ネイマールに注目が集まっている本大会だが、開幕戦はネイマールの2ゴールで、3-1でクロアチアとの激戦に勝利した。

 そんな同選手に「天使のごとく最高のプレゼントをくれた」と地元ブラジルで言われるのが、本大会で唯一日本人として笛を吹くレフェリーの西村雄一氏(42)だ。

 理由はネイマールが決めた勝ち越しゴールのきっかけとなったPK(ペナルティーキック)を判定したからだ。ブラジル代表FW、フレッジが倒れたプレーは、PKをもらうための演技ではなかったかという批判が噴出するほど、判定が難しいジャッジだった。

 現地で取材をしているジャーナリストの竹澤哲氏は話す。

「元々、西村レフェリーは、ブラジル人にとってイヤな思い出が残るレフェリーでした。開幕前、サンパウロの新聞、フォーリャ・デ・サンパウロ紙は『2010年大会でブラジルを敗退に追い込んだレフェリーが開幕戦で笛を吹く』という見出しを書きましたが、同氏は2010年南アフリカW杯大会の準々決勝、ブラジル対オランダ戦で主審を務め、その試合でブラジルは1点をリードしながらも2点を立て続けに決められて逆転負けをしています。この試合でブラジルは後半に退場者を出していますが、当時、ドゥンガ監督は1対0でリードして迎えたハーフタイムの時点で、『観客からの重圧で、すぐに笛を吹いて試合を止めてしまう。これでは試合のリズムに乗ることができない』、と、痛烈に西村レフェリー批判をしていました」

 同紙では、元レフェリーで現在コメンテーターであるスピノラ氏が、

「決してカードを多く出すレフェリーではないが、PKを多く取る。Jリーグでは、あまり文句を言ってくる選手はないので不用意に抗議をしたらよくないだろう、と警戒していました。しかし、今回ばかりは西村レフェリーがブラジルにとっては天使になりましたね」

 立場が違えば見方は変わるのは当然だ。現地で取材しているサッカーライターはこう話す。

「開幕戦という重圧の中、西村レフェリーは、すぐに笛を吹くことなく、流すところは流し、取るところはしっかりと取っていた。PKの判定だけではなく、全体の流れをつかみながら冷静なジャッジだったと思います。あのプッレシャーの中でゲームをコントロールするのは、世界のレフェリーの中でもトップクラスしか出来ません」

 人が裁く以上、絶対というものはない。しかし、1つ確実なことは、ネイマールにとっては「最高のアシスト」になったということだ。そして、そのチャンスを逃さないのが、ネイマールという大スターなのだろう。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク