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秋季キャンプ「釣り禁止令」でウルトラC…宿舎ベランダから釣り糸を投げた広島・大野豊の「まさかの結末」

 広島カープのOB会長の大野豊といえば、超のつく真面目人間で勤勉実直というイメージが強い。1977年から1998年まで広島一筋で中継ぎ、先発、抑えとして22年間フル回転し、昭和最後の沢村栄治賞を受賞した苦労人だ。

 その大野は、現役時代にナインを爆笑させたエピソードを残している。ある年のシーズン後、宮崎・日南市で行われた秋季キャンプ中のことだ。

 今でもそうだが、クライマックスシリーズ、日本シリーズ出場を逃した球団は、早々と来季に向けて始動する。フロントや首脳陣はFA補強やドラフト、トレード戦略に知恵を絞ることになるが、選手もポストシーズン突入までは秋季練習や秋季キャンプで野球漬けの生活を余儀なくされる。

 秋季キャンプでは仮に故障しても、翌年の自主トレ開始まで治療の時間があるため、昼夜問わず、かなりハードな練習を課される。当然、球団の監視の目は厳しく、禁止事項も多い。カープでは門限があるのはもちろん、休日のゴルフもNGで、他球団の禁止事項にない釣りも許可されていなかった。

 今も広島がキャンプを行う日南は釣りの本場で、船で沖に出なくても宿舎近くの堤防で釣り糸を垂らせば、ヒラマサなど1匹何万円もする高級魚が釣れる場所だ。当時、釣り好きが多かった広島ナインにとっては拷問に近い禁止令だが、大野もその「拷問」を受けたひとりだった。

 あるキャンプの休日、どうしても釣りがしたくなった彼は一計を案じた。なんと、海沿いに建つホテルの自室ベランダから釣りをするというのである。ベランダから重りの付いた釣り糸を投げれば、十分海に届く距離だったという。これなら外出することなく釣りができる。当然、首脳陣やマネージャーにチェックされることもない。カワハギなど釣果はまずまずだった。

 ところが困ったのが、釣り上げた魚の処分だ。そこで思いついたのは、ホテルのロビーに置かれた水槽に放すこと。隙を見て懇意にしている飲食店の人に調理してもらおうと考えたようだが、そうは問屋が卸さない。

 なにしろ、魚を放した水槽が悪かった。そこには伊勢エビがおり、数時間後に水槽をチェックすると、魚は伊勢エビのエサとなって、骨と皮だけが残されていたのである。

「大野さん、骨と皮だけの魚が泳いでいますけど」

 事情を知る他のナインの笑い声がロビーに響いたのは言うまでもない。キャンプではグランド以外にもネタが詰まっているのだ。

(阿部勝彦)

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