スポーツ
Posted on 2024年02月26日 17:58

Jリーグ開幕戦で見えた勢力図…本来の力を発揮できない名古屋グランパスの「泣きどころ」

2024年02月26日 17:58

 Jリーグが開幕した。

 昨季から監督が続投し、先発メンバーもほとんど変わらない王者・ヴィッセル神戸、3位と躍進したサンフレッチェ広島は、安定した戦いで好スタートを切った。新戦力が使えるようになれば、さらに上積みもあるだろう。逆に監督が代わり、システムも先発メンバーも入れ替わった浦和レッズは、時間がかかりそうだ。

 どのチームも最高のスタートを決めたいところだが、開幕戦で何かが決まるわけではない。対戦相手やホームの試合かアウェーの試合かも影響する。正直、開幕して4、5試合を消化してみなければ、チーム力は見えてこない。

 その典型的な試合が、名古屋グランパスVS鹿島アントラーズだった。結果は鹿島が3-0で快勝。鹿島は鈴木優磨、柴崎岳がケガや故障で先発を外れ、不安視されていた。それでも昨季に比べて戦術が整理されており、選手が迷いなくプレーしていた。ポポビッチ監督のマネージメントがうまくいっている感じがした。

 この試合で問題を抱えていたのは名古屋だった。3バックの右には野上結貴が入ったが、左には甲府から移籍していきた井上詩音が入り、中央にも昨季は福岡でレギュラーではなかった三國ケネディエブスを置いた。本来なら真ん中にKリーグを代表する、強さと正確なフィードを兼ね備えたハ・チャンレを置き、左にセットプレーもできる河面旺成を先発させるはずだった。それが故障明けやコンディションの問題で、2人はベンチ外。急造の3バックで臨まなければならなかった。しかもベンチにも、センターバックがいない状況となった。

 急造の3バックから気の利いた縦パスやロングパスが出てくることはなく、両サイドからのクロスというワンパターンの攻撃では、鹿島も守りやすかった。

 また最終ラインだけでなく、前線にも問題があった。この試合はキャスパー・ユンカーとパトリックのツートップで臨んだ。ただ、長谷川健太監督は、ユンカーと昨季福岡で二桁ゴールを決めた山岸祐也を組ませたかったはず。山岸がキャンプで右膝を故障し、開幕に間に合わなかったため、パトリックを先発に使った。

 本来ならユンカー、山岸のツートップでベンチに永井謙佑、パトリックというタイプの違うFWを置き、状況によって途中出場させたかった。例えばリードしているなら、終盤に永井を投入して守備では前線からボールを追いかけ、攻撃でもカウンターが狙える。逆にリードされて相手が下がってスペースを消しているなら、高さと強さのあるパトリックを投入して勝負。そういう形ができる。

 だから開幕戦の名古屋の結果を見て、今シーズンの名古屋を占うことはできない。幸いケガ人は重症ではなく、早ければ次節にも出場できる選手がいる。

 第4節終了後、代表ウィークで2週間の中断期間がある。そこでチームを修整する時間がある。本当の戦いは4月に入ってからだ。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/3発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク