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記事全文を読む→上田慎一郎「コロナになって現場に行けない」/テリー伊藤対談(3)
テリー 個人的には真矢ミキさんの役もすごくよかったなと思って。
上田 真矢さんもすごく楽しんでくださったと思います。裏社会の人間の役なんですけど、あえてドスを利かせるようなことはせず、気品漂う、お洒落なアウトローみたいな感じで。頭にターバンを巻いたのは、真矢さんのアイデアです。
テリー 最初におっしゃってましたけど、今までの作品と違って、今回はそういう大スターがたくさん出てますよね。そんな中で、これまでとは違う苦労とかもあったんですか。
上田 ひとつはですね、僕、撮影中にコロナになったんですよ。
テリー ええっ!? これ、撮影はいつだったの?
上田 昨年の夏ですね。そもそも、この作品って6年前から動いてるんですよ。
テリー あ、そんなに前から。
上田 だから、最初は派手に東京オリンピックが開催されて、カジノもできて、景気もよくなっているっていう世界観で脚本を書いてたんですけど、コロナで空気が一変して、脚本もだいぶ書き換えて、いざ撮影が始まる時にコロナが再拡大して、撮影が1年半ぐらい延期になったんです。これだけのキャストをそろえるとなると、撮影できるのが去年の夏しかなくなってしまって。
テリー そうか、そういうこともあるか。
上田 それで、いざ撮影に入ったら中盤ぐらいに僕がコロナになってしまったんですけど、スケジュール的にも止められないし。
テリー で、どうしたんですか?
上田 コロナと診断された日は撮影を中止して、翌日から5日間ぐらい、自宅からリモート演出しました。自宅のiPadに映像を送ってもらって、現場に置いたスピーカーから僕の声が聞こえるっていう。
テリー 「内野さんすみません、今のNGなんでもう1回やってください」って言うの?
上田 そうです、そうです。モニター見て、もう1回かOKかとか、現場の状況を判断したり。
テリー そんなことってできるんですか?
上田 始まった時は現場が大混乱してましたね。
テリー そうですよね。例えばどのシーンがそうだったんですか。
上田 内野さんと小澤さんが高級韓国料理屋でケジャンを食べながら話すところとか、土地を見に行くところとか、終盤の取引のシーンとか。
テリー ああ! すごい重要なシーンじゃないですか。そういう時って、自分が現場にいない歯がゆさとか悔しさとか、は。
上田 でもポジティブに考えると、ちょっと休めたっていうのがあって。現場でコロナになったのは僕だけなんですよ。たぶん免疫力がメチャクチャ下がるぐらい疲れていて。
テリー なるほど。
上田 歴戦の猛者たちから現場で自分のアイデアを超えるものがバンバン出て、やっぱりキャパオーバーすることも多かったんです。一カ所ちょっと変えると、「じゃあ、こっちはどうしましょう」ってなるので。
テリー 役者だけじゃなく、スタッフからも「どうするんですか?」って言われるもんね。その時、上田監督は「そんなに意見ばっかり言ってくるなよ!」ってならないの?
上田 ならないですね。「いや、僕はこれがやりたいです」って言えば、「監督がそう言うならそれでいこう」みたいな感じで、すごくリスペクトもしてくださったので。
テリー あ、そう。それは、ほんとにいい撮影現場だな。
上田 そうですね。よく言えばそうですけど、やっぱりピリッとする時も度々ありましたね。
ゲスト:上田慎一郎(うえだ・しんいちろう) 1984年、滋賀県出身。中学生の頃から自主映画を撮りはじめ、独学で映画を学ぶ。2009年、自主映画制作団体を結成。10本以上を監督し、国内外の映画祭で46冠を獲得。2018年、初の劇場用長編「カメラを止めるな! 」が2館から350館へ拡大する大ヒットを記録。その後、「スペシャルアクターズ」(2019年)、「100日間生きたワニ」(2021年)、「ポプラン」(2022年)が劇場公開。2023年には縦型短編監督作「レンタル部下」が第76回カンヌ国際映画祭による「TikTokShortFilmコンペティション」にてグランプリを受賞。最新監督作「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」が、11月22日(金)より新宿ピカデリーほかで全国公開される。
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