木下グループCM制作発表会のため来日した、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督。会見では大谷翔平の来季開幕戦での二刀流復活の可能性を聞かれると、否定的な見解を口にした。
「難しいと思っている。シーズンに何イニング投げるか管理する必要があり、仮に3月に投げたとしたら(プレーオフの)10月までもたない」
一方で、脱臼した左肩のリハビリは順調に進んでいるとして、3月18日と19日に東京ドームで開催されるカブスとの開幕2連戦は、打者として出場させる方針を明らかにした。
大谷が二刀流復帰を急ぐ必要はない。ドジャースは今オフ、ジャイアンツからオプトアウトの権利を行使してFAとなったサイ・ヤング賞投手ブレイク・スネルを、5年1億8200万ドル(約273億円)の大型契約で獲得した。ロバーツ監督の会見と同日、ロサンゼルスで入団会見に臨んだスネルは、
「翔平が僕のために打ってくれる。かなり興奮するね。翔平が打線にいることは間違いなく(自分の勝ち星の)助けになる。大きなモチベーションになる。投球ローテーションは中6日も中5日も中4日も経験している。どんな形でも大丈夫だ」
ド軍の絶対的エース、クレイトン・カーショーと山本由伸、タイラー・グラスノー、スネルに加え、ポスティングシステムでメジャー入りを表明している佐々木朗希をもしドジャースが獲得すれば、プレーオフの切り札として、故障明けの大谷をシーズン最終盤まで温存できる。
その大谷の近況はというと、MLB日本版公式サイトに愛犬デコピン、山本とともに登場。ロバート・デ・ニーロやジョルジオ・アルマーニと共同経営するセレブレストラン「NOBU」を世界で展開する松久信幸氏のレストランを訪問する様子が報じられた。11月のナ・リーグMVP受賞時は手術後の左肩をまだガッチリと固定していた大谷だが、松久氏、山本、デコピンとの4ショット記念写真では左腕を下ろしている。手術部位がくっつき、本格的なリハビリが始まったことが推察され、ロバーツ監督にとって開幕戦で大谷起用のメドが立ったのだろう。
亜脱臼した左肩は右投げの大谷にとって、投球後の反動がかかる部位。痛めた左肩の関節唇や靭帯に負担がかかり、本格的な遠投、投球は一般的には術後半年後からになる。ロバーツ監督がシーズン最終盤の10月を基準に逆算していることからみて、二刀流復活はどんなに早くても、オールスター明けになりそうだ。
(那須優子)