少数与党のキャスティングボートを握る国民民主党の玉木雄一郎氏(役職停止中)の不倫報道後、「増税ネクラ」石破茂総理大臣の暴走が止まらなくなった。
石破内閣は国民民主党が提案した「103万円の壁引き上げ」と「ガソリン減税」について年内決着はしないと開き直り、システム変更のため、減税は早くても2026年以降になるとの理屈をこね始めた。さらに働く高齢者には増税を課し、日本国内で免税特権のある中国人の入国緩和の方針を決めたという。
石破内閣が多数野党の反対を押し切ってでも増税できるのは、ただの風邪をコッソリと感染症第5類に引き上げたように、厚生労働省が独断で改悪できる「在職老齢年金制度」に手をつけるからだ。
65歳以上で年金をもらいながら働いている高齢者には、現行制度では給与所得、年金所得に合計200万円から380万円の税制控除が認められている。給与と年金で年収400万円を得ている人の場合、400万円の所得のうち200万円には所得税がかからない。
一方、生活費や学費の足しにパート、アルバイトしている学生や主婦は「103万円の収入を超えたら、本人や親や夫にも税金を課す」という不公平な制度設計になっている。これがいわゆる「103万円の壁」である。
この格差を縮めるべく、学生や主婦の税制控除額を178万円まで引き上げ、物価上昇に見合った所得の確保と、世代間の不公平感をなくすというのが、国民民主党が自公政権に迫っている「103万円の壁引き上げ」だ。だが石破総理は控除額を引き上げる減税策ではなく、赤ん坊から老人まで全世代への大増税に舵を切った。
さらにヤバイのが、米司法省が捜査中の、日本のIR事業(カジノ)をめぐり、中国企業から現金を受け取った贈収賄疑惑がくすぶる岩屋毅外務大臣が近々、中国を訪問することだ。全国紙政治部デスクが、その仰天訪中の中身を明かす。
「岩屋外相は12月4日、日中の有識者が集まる国際フォーラムにオンライン参加。『できるだけ早く中国を訪問して王毅外相と会談した上で、適切な時期に王毅外相の日本訪問も実現したい』と言及しました。王毅外相への手土産は、中国人が日本に入国する際のビザ(査証)発給要件の緩和です。中国人が何度も日本と中国を行き来できる数次ビザの発行も拡大する。中国人犯罪者がノーチェックで中国と日本を行き来できるようになります」
12月4日付の本サイト記事で報じたように、中国人インフルエンサーが東北地方の下校途中の小学生をつけ回し、誘拐をほのめかす物騒な事件が起きている最中に、中国人の入国制限を緩和するというのだ。有権者は衆院選挙で自民党にダメ出ししたはず。「増税ネクラ」石破総理の暴走を止める術はないのか。前出の政治部デスクが言う。
「岸田前総理はメディアに『増税メガネ』と呼ばれたことにショックを受けて、今年6月に実施された定額減税の方針を決めたといいます。石破総理は他の自民党議員、野党議員と感覚がズレているので、岸田前総理のようにはいかないでしょうが、石破総理に『刺さる』まで、有権者が声を上げ続けるしかないでしょう。岩屋外相の『売国訪中』まで、あまり時間がありませんが」
与党が「増税ネクラ」の暴走を止められず、野党も「内閣不信任」を突きつけられないのなら、日本の政治家と有権者は韓国・尹錫悦大統領の戒厳令批判などできないだろう。
(那須優子)