中日の保留選手名簿から外れた絶対的守護神ライデル・マルティネスに、「巨人移籍濃厚」との報道が出ている。
全米野球記者協会所属のフランシス・ロメロ記者が12月6日、自身のXを更新。〈キューバ出身のスタークローザー、右投手ライデル・マルティネスが読売ジャイアンツとの契約をまとめている〉と速報したのだ。
驚くべきはその契約内容で、2年総額1600万ドル(24億円超)いうビッグ契約。ソフトバンクのロベルト・オスナが得た4年総額40億円を超える高待遇である。
巨人の抑えには大勢がいるが、巨人の持病である「欲しい欲しい病」が悪化した形だ。阪神・大山悠輔のFA獲得に失敗したことで、大山資金が浮いたのだろう。
巨人は今オフのFA戦線で大山のほか、ソフトバンク・甲斐拓也と石川柊太の獲得を公言していたが、土壇場で大山に逃げられ、ここにきて甲斐も残留が有力視されている。石川は人的・金銭ともに補償が発生しないCランクであることから、ロッテが強い興味を示している。
巨人は大山に4億円の年俸を用意していたされ、これに菅野智之が抜けた分の4億円をプラスすれば、年間8億円を用意できる。読売グループの資金力を考えれば、マルティネスに12億円の年俸を提示することなど、たやすいのだろう。
マルティネスは来日8年で防御率1.71、14勝18敗、42ホールド、166セーブと圧倒的な数字を残している。問題は現・守護神の大勢との起用がかぶることだが、マルティネスを獲得した場合、大勢がセットアッパーや先発に転向する可能性が浮上する。
ただ、大勢は入団時に、当時の桑田真澄コーチが「先発向きではない」と判断し、反対する原辰徳監督を説得した経緯がある。現在は阿部慎之助監督に代わったこともあり、今なら先発転向案が再浮上するかもしれない。
あり余る資金とブランド力で、有力選手を根こそぎ獲得しようとする巨人。おなじみの風景に「またか…」とぼやきたくなる野球ファンは多いのではないか。
(ケン高田)