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記事全文を読む→サッカー大国ブラジルが落ちぶれた原因は「ヨーロッパのサッカーを覚えたから」
唯一、W杯全大会に出場して、史上最多5回の優勝を誇るサッカー大国ブラジルが、2026年北中米W杯南米予選で苦しんでいる。
第12節を終了して5勝3分4敗で5位。南米枠が4.5から6.5に増えたため、本大会出場を逃すことはないと思うが、6位のパラグアイとは勝ち点差1、プレーオフに回る7位のボリビアとは勝ち点差5。これ以上の取りこぼしは許されない。
2014年、地元開催となったブラジル大会でベスト4に進出。その準決勝でドイツに1-7と屈辱的な大敗を喫した。その後、2018年ロシア大会、2022年カタール大会と、2大会連続でベスト8敗退。今夏に開催されたコパ・アメリア(南米選手権)は、決勝トーナメント1回戦(ベスト8)でウルグアイに敗れている。
ブラジルのW杯優勝は、2002年の日韓大会まで遡る必要がある。では、なぜブラジルのサッカーは低迷したのか。
それは育成の失敗にある。かつてのブラジル代表選手は、国内リーグでブラジルの個人技を生かしたサッカーを身につけ、代表に選ばれてからヨーロッパに移籍した。だから代表に選ばれても、ブラジルのサッカーにすぐに対応できた。サッカーが進化していっても、ブラジルの個人技を残していった。
ところが近年、ヨーロッパの主要クラブが18歳で外国人選手とプロ契約できることから、経営難のクラブは育てる余裕がなくなり、18歳で選手を売ってしまう。国内リーグでも1、2年しかプレーせず、ブラジルのサッカーを身につける前に、ヨーロッパに移籍してしまうのが現状だ。
そうした若手が、フィジカル中心のヨーロッパのサッカーを教え込まれるわけだから、ブラジル代表に選ばれても伝統のサッカーができるわけがない。
将来、ブラジル代表を背負っていくであろう、レアル・マドリード所属のヴィニシウス、ロドリゴ、そして今季からチームメイトに加わったエンドリッキと、全ての選手が18歳で契約している。今季、FCバルセロナと契約したヴィトール・ロケも18歳。国内リーグを経験したのは1年か2年だ。
現在のブラジル代表メンバーを見ても、ヨーロッパの所属クラブで欠かすことができない絶対的なエースとして君臨しているのは、ヴィニシウスぐらいだ。他の選手はチームを勝たせるほどの存在感はないし、チームのひとつの駒にすぎない。
2002年日韓大会で優勝したメンバーには「3R」と呼ばれた、スーパーストライカーのロナウド(インテル・ミラノ)、ファンタジスタのロナウジーニョ(パリ・サンジェルマン)、そしてリバウド(バルセロナ)と、所属クラブのエースを3人揃え、両サイドバックにもロベルト・カルロス(レアル・マドリード)とカフー(ASローマ)と、世界的なサイドバックを揃えていた。
さらに南米予選の終盤、ブラジル代表を本大会に導く活躍を見せたロマーリオ(バスコ・ダ・ガマ)でさえ、最終メンバーから外された。それほど選手層が厚く、スターが次から次に出てくるのがブラジルのサッカー界だった。
現在のブラジルサッカーで世界的なプレーヤーといえるのは、ネイマールぐらい。ケガで長期離脱していたが、2025年から代表に復帰する可能性が高い。
ブラジルサッカーの香りを感じさせる数少ない選手であるネイマールの代表復帰が若手選手に刺激を与え、ブラジルサッカー復活のきっかけになればいいいのだが…。
(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。
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